2000 Fiscal Year Annual Research Report
MHCクラスI抗原提示経路に移行する炭疽菌外毒素を用いた新タイプのHCVワクチン
Project/Area Number |
11670303
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Research Institution | Saitama Medical School |
Principal Investigator |
守屋 修 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (40049862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤塚 俊隆 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30159321)
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Keywords | 炭疽菌外毒素(PA-LF) / CTL / HCVワクチン |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)のワクチン開発のため、MHCクラスI分子に高い移行能を持つ炭疽菌外毒素を用いてHCVに対する細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の誘導能を検討した。前年度、炭疽菌外毒素のprotective antigen(PA)と、HCVの既知エピトープを結合したlethal factor(LF)でマクロファージ(Mφ)細胞株を処理し、BALB/Cマウスに免疫することでCTL活性を誘導した。今回、さらに効果的な抗原刺激の方法を検討し外。Mφ細胞株を放射線照射(50Grey)し、アポトーシス状態で免疫することで高いCTL活性が得られた(非照射群の約3倍)。蛋白を高率に吸着するラテックス粒子にPA、LFを処理後免疫しても高いCTL活性が誘導できた(E/Tが150の場合、30%のkiller活性)。PA、LFと共に樹状細胞増多因子であるGM-CSF、あるいは樹状細胞成熟を促す抗CD40で処理したラテックス粒子で免疫することでCTL活性は更に高まった(それぞれLatex-PALF単独投与群の約2倍の活性)。しかし、PA、LFの反復刺激でCTL活性の増加は見られず、免疫記憶の誘導は認められなかった。PA、LFの免疫で得られたCTLはHCVのエピトープ配列を含んだ組み換えワクチニアウイルスを感染させた標的細胞にkiller活性を示した。また低濃度のエピトープ(10nM)をパルスした標的細胞にkiller活性を示したことよりPA、LF系はHCVワクチンとして有望と思われた。GM-CSF、抗CD40のCTL誘導に対する促進効果、あるいはアポトーシス細胞を介しての樹状細胞のcross presentationの存在などより、PA、LFによるCTL誘導には樹状細胞が重要であることが示唆された。
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