1999 Fiscal Year Annual Research Report
CD4陽性T細胞ワクチンによるウイルス感染防止機構
Project/Area Number |
11670307
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
宮澤 正顕 近畿大学, 医学部, 教授 (60167757)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 弘之 近畿大学, 医学部, 助手 (80309335)
田端 信忠 近畿大学, 医学部, 助手 (40298948)
松村 治雄 近畿大学, 医学部, 講師 (10229536)
宇高 恵子 京都大学, 大学院・理学研究所, 助教授 (40263066)
|
Keywords | ペプチド / ワクチン / レトロウイルス / エピトープ / CD4陽性Tリンパ球 / CD8陽性Tリンパ球 / 細胞傷害性Tリンパ球 / 抗体 |
Research Abstract |
フレンド白血病ウイルスenv遺伝子産物上に同定した、感染防御に有効なへルパーT細胞エピトープを単独で含む合成ペプチドで、このウイルスに感受性の高い(BALB/c×C57BL/6)F_1マウスを免疫した。免疫マウスに抗CD4または抗CD8抗体を投与し、T細胞サブセットを除去すると、何れも陰性対照のラットIgGを投与したペプチド免疫マウスに較ベ、白血病発症頻度が著しく上昇した。また、CD8陽性Tリンパ球を欠くβ2-ミクログロブリン遺伝子ノックアウトマウスを同じペプチドで免疫しても、フレンドウイルス接種後の白血病発症を阻止できなかった。これらの結果は、CD4陽性Tリンパ球認識エピトープによるフレンド白血病発症阻止にCD8陽性Tリンパ球がエフェクター細胞として必須であることを示す。 一方、ペプチドワクチン免疫後にフレンドウイルスを接種したマウスから、CD8陽性細胞傷害性Tリンパ球(CTL)活性の検出を試みた。その結果、ウイルス接種後9日日から12日目にかけて、有意なフレンドウイルス感染細胞特異的CTL活性を検出出来た。 そこで、ウイルス接種7日目のペプチド免疫個体から血清及び脾細胞を分離し、磁気標織抗体セルソータを利用して、CD4陽性及びCD8陽性T細胞を分離・精製し、未免疫のウイルス感染マウスに移入した。その結果、CD4陽性Tリンパ球或いはCD8陽性Tリンパ球を単独で移入した群には、対照群と比較して延命効果を認めなかったが、CD8陽性Tリンパ球と血清を同時に移入した群で、統計的に有意な生存期間の延長を認めた。 このことは、CD4陽性Tリンパ球認織エピトープによる免疫後に、ウイルス感染に伴いCD8陽性エフェクターT細胞と抗ウイルス抗体が誘導され、それらが白血病発症阻止に働いていることを示す。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Hiroyuki Okuda: "Protein kinase Cα promotes apoptotic cell death in gastric cancercells depending upon loss of anchorage"Oncogene. 18. 5604-5609 (1999)
-
[Publications] Masaaki Miyazawa: "Squirrel monkey retrovirus(SMRV)sequence from an SMRV-negative cell line?"J.Hepatol.. 31. 967-968 (1999)
-
[Publications] Keiji Hashimoto: "Induction of microthrombotic thrombocytopenia in normal mice by transferring a platelet-reactive,monoclonal anti-gp70 autoantibody"Clin.Exp.Immunol.. 119. 47-56 (2000)
-
[Publications] Nobutada Tabata: "Establishment of monoclonal anti-retroviral gp70 autoantibodies from MRL/lpr lupus mice and induction of glomerular gp70 deposition and pathology"J.Virol.. (印刷中). (2000)
-
[Publications] Masaaki Miyazawa: "Roles of endogenous retroviruses and platelets in the development of vascular injury in spontaneous mouse models of autoimmune diseases"Int.J.Cardiol.. (印刷中). (2000)