1999 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞受容体シグナル伝達に関わる新たなGrb2ファミリー分子"Grf40"
Project/Area Number |
11670310
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅尾 裕信 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80250744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 直人 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60291267)
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Keywords | T細胞受容体情報伝達 / Grf40 / SLP76 / LAT / Gbr2 |
Research Abstract |
サイトカイン情報伝達に関わると考えられるアダプター分子STAMに会合する分子として我々はAMSHを遺伝子単離した(Tanaka,N.et al.,J.Biol.Chem.,274,19129-19135)。そのAMSHに会合する分子として、酵母two-hybrid systemを用いて新たなアダプター分子Grf40を単離した。その後の解析から、Grf40はT細胞特異的な発現を示し、T細胞受容体(TCR)の情報伝達にとって重要な役割を担っていることを発見した。まず、T細胞Jurkat細胞において、Grf40はTCR刺激依存性にLATと会合し、またTCR刺激非依存性にSLP76と会合していた。COS細胞を用いたGrf40変異体とSLP76変異体の共発現実験により、Grf40のC末側SH3領域とSLP76の中央部分のアミノ酸E217-K240の領域がそれらの会合に関わっていることが判明した。 TCR情報伝達に対するGrf40の影響を検討したところ、TCR刺激によるIL-2プロモーター活性は野生型Grf40により増強し、Grf40SH2領域欠失変異体により減少した。これらの結果から、Grf40がTCR情報伝達において、LATからSLP76へのアダプター分子として機能していることが示された。 これまでLATとSLP76間のアダプター分子としてGrb2が報告されている。我々はSLP76との会合においてGrf40とGrb2の競合実験を行ったところ、Grf40がより高い親和性でSLP76と会合する事を示した。また前述のIL-2プロモー夕ー活性では、明らかにGrf40がGrb2より強い影響を示した。以上の結果からTCR情報伝達におけるGrf40の機能はGrb2より重要であることが証明された(Asada,H.et al.,J.Exp.Med.,189,1383-1390)。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hirosi Asada et al.: "Grf40, A Novel Grb2 Family Member, Is Involved in T cell Signaling through Interaction with SLP-76 and LAT"J. Exp. Med.. 189. 1383-1390 (1999)
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[Publications] Nobuyuki Tanaka et al.: "Possible Involvement of a Novel STAM-associated Molecule "AMSH" in Intracellular Signal Transduction Mediated by Cytokines"J. Biol. Chem.. 274. 19129-19135 (1999)