2000 Fiscal Year Annual Research Report
Gタンパク結合型受容体からのシグナルと免疫細胞活性化の制御
Project/Area Number |
11670324
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中島 学 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (50198074)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 武 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40028684)
|
Keywords | Gタンパク結合型受容体 / 抗原受容体 / シグナル伝達 / Th1細胞 / Th2細胞 / B細胞 / ジーンターゲティング / サイトカイン産生 |
Research Abstract |
免疫細胞上には種々のGタンパク結合型受容体(GPCR)が発現されている。本研究では、これらGPCRからのシグナルと、T細胞及びB細胞上の抗原受容体からのシグナル伝達との間でどのようなクロストークが存在し、抗原受容体からのシグナル伝達とその遺伝子発現がGPCRシグナルによってどのように修飾されるかを分子レベルで明らかにしようとした。ヒスタミン受容体H1RにはGαqが、H2RにはGαsがGPCRとして会合している。我々は、H1R欠損マウス及びH2R欠損マウスをそれぞれジーンターゲティング法により作製した。H1R欠損マウスではB細胞抗原受容体(BCR)からのシグナル伝達の著明な低下が見られ、BtkのBCRへの会合にGαqからのシグナルが重要であることが示された。一方、T細胞では抗原刺激後のIL-2産生、IFNγ産生の著明な低下が見られ、T細胞の抗原刺激による増殖の低下が見られた。一方、IL-4、IL-13などの産生は正常であった。このことは、H1RすなわちGαq GPCRからのシグナルはT細胞抗原受容体からのシグナル、Th1細胞への分化のシグナルに重要な役割を果たしていることが示された。他方、H2R欠損マウスでは、IFNγ産生及びIL-2産生は著明に亢進し、Th2細胞の細胞増殖が亢進した。即ち、GαsGPCRからのシグナルは、Th2細胞の活性化に負の制御を行っていることが明かとなった。 以上の結果から、GPCRと抗原受容体との間には密接なクロストークが存在し、正負の制御を行っていることが示された。本研究はGPCRのシグナルが抗原受容体からのシグナルに強い制御機構を有していることを初めて明らかにしたものである。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] K.Ohshima,M.Nakashima,K.Sonoda, et.al.: "Expression of RCAS1 and FasL in human trophoblasts and uterine glands during pregnancy ; the possible role in immune privilege."Clin.Exp.Immunol.. (in press). (2001)
-
[Publications] T.Masaki,H.Yoshimitsu,S.Chiba,T.Watanabe et.al.: "Central infusion of hitamine reduced fat accumulation and increased UCP family expression in leptin resistant obese mice."Diabetes. (in press). (2001)
-
[Publications] T.Iwasaki,M.Nakashima,T.Watanabe, et al.: "The expression of human tumor-associated antigen RACS1 and the prognostic significance in lung cancer."Intern.J.Cancer. 89. 488-493 (2000)
-
[Publications] K.Sonoda,T.Kaku,T.Hirakawa,M.Nakashima,T.Watanabe, et.al: "The clinical significance of tumor-associated antigen RCAS1 expression in the normal, hyperplastic, and malignant uterine endometrium"Gynecologic Oncology. 79. 424-429 (2000)
-
[Publications] S.Yayoshi-Yamamoto,I.Taniuchi and T.Watanabe: "FRL, a novel member of Formin-related proteins, that binds to Rac and regulates cell motility and survival of macrophages."Molecular Cellular Biology. 20. 6872-6881 (2000)
-
[Publications] Hashimoto,K.Tanigawa,M.Nakashima,T.Watanabe et.al.: "Construction of the single-chain Fv from 196-14 antibody toward ovarian cancer-associated antigen CA125."Biol.Pharm.Bull.. 22. 1068-1072 (1999)