2001 Fiscal Year Annual Research Report
上腕骨外側上顆炎の作業関連性についての人間工学的研究
Project/Area Number |
11670341
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
今枝 敏彦 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (00303636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 康浩 名古屋大学, 医学部, 名誉教授 (90022805)
谷脇 弘茂 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (40197538)
小野 雄一郎 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (80135334)
蛭田 秀一 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 助教授 (30173272)
安藤 詳子 名古屋大学, 医学部, 助教授 (60212669)
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Keywords | 上腕骨外側上顆炎 / 作業関連性 / 人間工学 / バイオメカニクス / 筋電図 / 長橈側手根伸筋 / 短橈側手根伸筋 / 尺側手根伸筋 |
Research Abstract |
上腕骨外側上顆炎の発生機序解明をめざして、侵襲性の小さい表面筋電を用いバイオメカニカルな検討を試みた。利き手の上肢に外傷や疾病などの既往のない成人男性12人を実験の対象とした。自作の筋力測定装置を使い、バイオフィードバックを利用して、被験者に肘関節伸展位で手関節の9つの肢位を無作為にとらせ、さらに無作為に8方向の力を等尺性に最大筋力まで出させた。被験者の3つの手根伸筋(長・短橈側手根伸筋、尺側手根伸筋)と2つの手根屈筋(橈側・尺側手根屈筋)の表面筋電を筋力と同時に測定した。 その結果、表面筋電は手根屈筋・伸筋の等尺性収縮におけるバイオメカニカルな検討に耐え得ることがわかった。 手関節最大モーメントは筋力方向と肢位に影響を受けた。手関節中間位における掌屈モーメントと背屈モーメントは橈屈モーメントや尺屈モーメントより大きかった。また中間位における掌屈モーメントは掌屈位や背屈位におけるものよりも大きく、背屈位と中間位における背屈モーメントは掌屈位におけるものよりも大きかった。中間位における橈屈モーメントと尺屈モーメントは橈屈位や尺屈位におけるものより大きかった。 他方、最大筋電は手関節の肢位の影響を受けず、筋力の方向にのみ影響を受けた。特に短橈側手根伸筋は、背屈方向に特異的に機能した。また物の把持などの作業ではこの短橈側手根伸筋は重要な役割を果たすことを考慮すると、手の繰り返し動作が上腕骨外側上顆炎の発生要因になると考えられた。すなわち上腕骨外側上顆炎の作業関連性が示唆された。
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[Publications] 小野雄一郎: "頸肩腕障害"産業医学レビュー. 13(1). 1-16 (2000)
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[Publications] 小野雄一郎: "頸肩腕障害研究の今日的課題-国際的動向から検証した頸肩腕障害の考え方"産業衛生学雑誌. 42別冊. 55-58 (2000)
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[Publications] 小野雄一郎: "介護に関わる労働衛生の課題"総合保健体育科学. 23(1). 55-61 (2000)