1999 Fiscal Year Annual Research Report
肝障害判定の新しい指標-血中酵素活性及び顕著な減少を示す肝細胞質中蛋白質の同定
Project/Area Number |
11670343
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
田口 徹也 高知医科大学, 医学部, 助教授 (40095021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 厚 高知女子大学, 家政学部, 教授 (60178704)
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Keywords | 肝障害 / γ-lyase / 尿中蛋白質 |
Research Abstract |
肝機能の新たな、かつ肝特有のより鋭敏な指標を見つけだすために、四塩化炭素腹控内投与により急性肝障害を誘発した動物を用いて、血中γ-lyase活性変化が肝特有の変化を示す鋭敏な指標であることを次の結果より証明した。すなわち、有機リン慢性中毒を起こした動物(ウズラ)では、肝障害が認められないにもかかわらず血中GOTおよびGPT活性の増加が見られるが、血中γ-lyase活性の上昇は認められないことより、γ-lyase活性変化が肝に特有な指標だということを証明した。また、四塩化炭素投与により急性肝障害を誘発したラット肝可溶性蛋白質中で観察された28KDa蛋白質の消失という著しい変化に対応し、尿中の同蛋白質の動態を検討し、同様の減少を観察した。このラットで認められた尿中蛋白質の変化がヒトでも認められるかどうかを検討するために、種々の条件を違えた人(例えば、運動量や食事摂取状況など)を対照にして同様蛋白質尿中で同定されるかどうかを観察中である。そのためには、正常人尿の濃縮方法(正常人では尿中に極わずかの蛋白質しか認められない)や電気泳動による蛋白質のパターンを検討することが必要であり、今年度は人尿の濃縮方法を検討した。その結果、300mlの尿をあまり時間をかけず(約30分)100倍に濃縮する方法(メンブランを用いた濾過法)を見いだしている。さらに効率の良い濾過法を検討していく予定である。
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