2000 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン解析による産業化学物質の呼吸器感作性評価に関する研究
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11670347
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
青山 公治 鹿児島大学, 医学部, 講師 (70117472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
胥 宝会 鹿児島大学, 医学部, 助手 (00264408)
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Keywords | 感作性物質 / サイトカイン / 呼吸器 / 産業医学 / マウス |
Research Abstract |
呼吸器感作性評価を行うための有効な免疫学的指標として、サイトカインの産生パターンが有効であることが示唆されたので、本年度はトルエンジイソシアネート(TDI)を用いて、種々の感作条件による感作マウスを作成し、誘発後の肺におけるBALF中の細胞分画とサイトカイン・パターン、脾細胞におけるサイトカイン・パターンおよび血清総IgE抗体を経時的に解析し適切な曝露条件と評価指標を検討した。TDIを鼻腔内投与または背部塗布による感作を各スケジュールで実施し、鼻腔内投与にて誘発する実験系を用いた。感作スケジュールは、4日間連日処置する群と7日後に再度4日間処置する群(4×2群)を設定し、各々最終処置日から7日目に誘発し、3、24、48時間後に検索した。また10日間の感作処置後10日間おいて再度3日間の感作処置と3日間休息後、誘発処置を2日間行い経時的に検索した。その結果、総IgE抗体は4×2群で有意な産生がみられ、感作成立には2〜3週間が必要であること、分散させた長期間の感作処置でも同程度であること、また同一感作スケジュールであれば吸入法と塗布法のいずれでも同程度の抗体産生が得られることがわかった。BALFにおける誘発直後のIL-4は、経時的に感作及び対照群ともに減少傾向にあり、IFN-γは、感作群では減少傾向、対照群では維持され、GM-CSFは両群とも同レベル検出され、本実験条件下では誘発直後の解析が有効と思われた。脾細胞におけるIL-4とGM-CSF産生能は対照群に比して有意に高く、脾細胞の解析が有効と思われた。感作処置の吸入法と塗布法では、脾細胞のIL-4産生能からみると塗布法が優性であった。以上の結果より、TDIのような強感作性物質については、塗布感作法でIgE抗体産生とIL-4、GM-CSF及びIFN-γを主な指標として感作性評価は可能であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)