1999 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌かく乱物質による男性生殖器機能への影響に関する疫学研究
Project/Area Number |
11670350
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
武林 亨 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (30265780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西脇 祐司 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40237764)
末岡 浩 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (90162833)
大前 和幸 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60118924)
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Keywords | 内分泌かく乱物質 / 精子 / 疫学 / 生殖器機能 |
Research Abstract |
1.人工授精精子提供者の精液所見に関する研究 K病院で実施された人工授精精子ドナーの精液所見は,20000件以上蓄積されている.その中で,1990年以降に得られたデータについてその経年変化を検討することとした.これらのドナーは,年令20-25才の健常な男性であり、延べ10000余件の所見があった.年代と精子数との間の単回帰直線の傾きは負の値を取ったが,同一ドナーの複数回の所見が多く含まれている可能性があるため,今後,その点に考慮した解析を進める予定である. 2.内分泌関連がんの集積に関する疫学研究 日本における内分泌関連がんの地理的・時間的集積性に関する知見は知られていない.そこで,人口動態データを利用して,内分泌関連がん死亡の地理的集積性および時間的集積性を検討することとした.まず,前立腺がん,卵巣がんを対象とし,1972年〜1997年までの地域別の年間死亡数(全年齢)を算出した.標準化死亡比(SMR)は,死亡数が少ないため推定値として不安定になる可能性があるので,今後第一に,その算出方法を検討する.信頼しうるSMRが算出できたならば,これを視覚化するために地図上にマッピングし,日本における内分泌関連がん死亡のの地理的・時間的集積性を検討する.並行して,一般住民の内分泌撹乱物質摂取・曝露レベルの推定を,種々の既存公表データから試み,特定高曝露(あるいは低曝露)地域が特定できれば,その死亡状況との地域相関性を検討する.また,こうしたアプローチが有効であれば,乳がん,子宮体がん,甲状腺がん,大腸がんなどにも対象を拡げて検討する.
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