2000 Fiscal Year Annual Research Report
ノート型パソコン使用時のVDT作業の負担軽減に関する人間工学的研究
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11670354
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Research Institution | Aichi Mizuho College |
Principal Investigator |
斎藤 真 愛知みずほ大学, 人間科学部・人間環境学科, 助教授 (70178482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 象二郎 愛知みずほ大学, 人間科学部・人間科学科, 教授 (00257734)
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Keywords | VDT(Visual Display Terminals) / コンピュータ労働 / 作業負担 / 作業姿勢 / FPD(Flat Panel Display) |
Research Abstract |
近年、ノート型パソコンが増加し、デスクトップ型パソコンの代替機となりつつあるが、ノート型パソコンは作業負担が大きいことが指摘されている。特に作業姿勢は、視距離が短いことや頭部が前屈し頭の動きが少ないことなどが問題点である。また頸部僧帽筋の筋緊張を高め、肩こりや頭痛などの原因となる可能性が高いことも明らかである。これらの点は、全てノートパソコンの画面の高さを変えることができないことに起因する。そこで本研究は、作業負担軽減を目的としたノート型パソコンの設計用件求めるため、ディスプレイの高さの違いが身体に与える影響と、最適なディスプレイの位置について検討した。 被験者は、被験者は20〜23歳までの12人の健康な男女12人(男6人、女6人、平均年齢21歳)の大学生とした。実験の内容は被験者に原稿を見ながら日本語入力作業と、同画面上でマウスを使ってのコピー、貼り付け作業をさせた。実験条件は、ディスプレイ位置が3条件((1)机の上に直接置き、キーボードと密着させたもの、(2)床からの高さ100cmのもの、(3)被験者に合わせて調節し、視線の角度が下15度になるもの)と原稿の位置が2条件の合計6条件とした。作業姿勢の計測項目は、視距離、視線角度、頚部角度、積分筋電図とした。解析に用いたデータは、実験開始直後と終了前4分間とした。 実験の結果、各自の体格に合わせた場合とそうでない場合では、視距離、頸部角度、頸部僧帽筋の積分筋電位に有意な差が認められた。すなわちノート型パソコンを模擬した場合では、視距離が短く、頭部が前屈する傾向が強いことが示され、頸部僧帽筋の筋電位は有意に増加した。 以上の研究結果より、ノート型パソコンの設計要件としてディスプレイの高さは各自の座高に合わせ、かつ原稿を上の位置に置く方式が最も良いことが示された。
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[Publications] 斎藤真,加藤象二郎: "FPD使用時の頭部運動"日本人間工学会誌. 36. 412-413 (2000)
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[Publications] 斎藤真,加藤象二郎: "FPD使用時のVDT作業"日本人間工学会東海支部大会誌. 2. (2001)