2000 Fiscal Year Annual Research Report
インシュリン抵抗性と肝インシュリンクリアランスの相互作用に関する研究
Project/Area Number |
11670389
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Research Institution | KEIO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
島田 直樹 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (90255430)
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Keywords | 糖尿病 / Cペプチド / インシュリンクリアランス / HOMAモデル / インシュリン抵抗性 / 全身性肥満 / 中心性肥満 |
Research Abstract |
本研究では、血清Cペプチド濃度より肝臓におけるインシュリンクリアランスを算出し、また空腹時血清インシュリン濃度よりHOMAモデルを用いてインシュリン抵抗性を算出して、これらと糖尿病との関連を検討した。 平成11年度に血清Cペプチド濃度を測定した1820検体のうち、1)空腹時インシュリン濃度を測定してある、2)空腹時血糖値を測定してある、3)身長、体重、腹囲、臀囲を測定してある、4)同一人物の検体の場合は最初に採取した検体を用いる、の基準に適合した1805検体を解析対象とした。過去に糖尿病と診断されている者を糖尿病群、他を非糖尿病群とした。 血清Cペプチド濃度、空腹時血清インシュリン濃度、空腹時血糖値よりCペプチド-インシュリン比(CIR)およびHOMAモデルを用いてインシュリン抵抗性(IR)を算出した。Body mass index(BMI)およびWaist to hip ratio(WHR)はそれぞれ3群に分類した。GOT>40あるいはGPT>35の場合は肝機能障害ありとした。 CIRは平均15.1、標準偏差3.9、IRは平均2.26、標準偏差2.17であり、CIRとIRは有意な負の相関を示した。ロジスティック回帰分析を用いた検討では、CIRが大きいほど糖尿病のリスクは有意に低くなり、一方、IRが大きいほど糖尿病のリスクは有意に高くなった。この結果は、BMI、WHR、肝機能障害で補正しても変化しなかった。 以上より、CIR、IRともに全身性肥満、中心性肥満と独立して糖尿病と関連していることが示唆された。CIRは肝機能と関連すると考えられたが、肝機能障害の有無で補正しても糖尿病との関連は変化しなかった。
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