2000 Fiscal Year Annual Research Report
交代勤務の循環器機能への影響-正常血圧者と高血圧者の比較
Project/Area Number |
11670391
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
中川 秀昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00097437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 正司 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40188404)
西条 旨子 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40198461)
三浦 克之 金沢医科大学, 医学部, 講師 (90257452)
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Keywords | 交代勤務 / 血圧 / 心拍数 / 日内変動 / 高血圧 / 身体活動 |
Research Abstract |
交代勤務の血圧への影響を明らかにすることと高血圧者の適正配置の観点から、交代勤務者の血圧、心拍など循環器機能の日内変動を調査した。対象者は富山県東部にあるファスナーアルミ製造工場で3交代勤務を行っている男性従業員であり、全員生産従事職である。高血圧で治療中のもの10人、高血圧で未治療者9人、正常血圧者15人が調査に協力した。平均年齢は正常血圧者が48.2歳、高血圧未治療者が46.2歳、降圧剤治療者が52.7歳であった。各人に日勤日と夜勤日の2日間、携帯型24時間血圧計による血圧日内変動の測定、携帯型加速度計による身体活動量の計測、調査票による作業中の行動調査を行った。1日を睡眠中、勤務中、その他の時間の3区分し、日勤日、深夜勤務日の血圧値の平均を上記の3群で比較した。血圧の日内変動は高血圧者、正常血圧者とも、睡眠中に低く、活動時間帯に高く、活動時間帯の中では勤務前にやや高く、勤務中にいったん下がり、勤務後に再度高くなるパターンがみられ、このパターンに日勤・夜勤による差はなかった。血圧値を日勤日と夜勤日で比較すると、正常血圧群では深夜日は日勤日に比べて基底血圧(睡眠中の最も低い血圧)が有意に高かった。また、降圧剤治療群では、勤務後に深夜日が日勤日に比べて高かった。また、睡眠中の心拍数は日勤日より夜勤日で多かった。身体的活動量の変化に伴う血圧、心拍数の変動をみるために、勤務中の活動量をその分布から4区分し、各区分に該当する時間帯に計測した心拍数、収縮期血圧、拡張期血圧を日勤日と夜勤日で比較した。降圧剤治療をしていないものでは、心拍数が夜勤中は日勤中に比べて低かったが、血圧は差がなかった。夜勤中は日中の覚醒時に比べて交感神経系の活動が抑えられており、身体的負荷の増大に対して、日中よりも心拍数増加反応が減弱している可能性が示唆された。
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