1999 Fiscal Year Annual Research Report
慢性ベリリウム症の発症機序に関する実験的並びに臨床疫学的研究
Project/Area Number |
11670392
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
吉田 勉 藤田保健衛生大学, 医学部・公衆衛生学, 助教授 (00158453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗田 秀樹 藤田保健衛生大学, 医学部・衛生学, 助教授 (50148269)
大谷 元彦 藤田保健衛生大学, 医学部・衛生学, 教授 (30084510)
小野 雄一郎 藤田保健衛生大学, 医学部・公衆衛生学, 教授 (80135334)
長岡 芳 藤田保健衛生大学, 医学部・公衆衛生学, 講師 (60217974)
谷脇 弘茂 藤田保健衛生大学, 医学部・公衆衛生学, 講師 (40197538)
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Keywords | ベリリウム / Be-LT / BeSO_4 / BeO |
Research Abstract |
ベリリウム(Be)化合物投与モルモットの感作に関する検討 1).対照群(気管内、腹腔内:生食水)、BeO投与群(気管内=BeO、腹腔内:生食水)、BeO+BeSO_4投与群(気管内:BeO、腹腔内:BeSO_4溶液)に分け、Be特異的リンパ球刺激試験(Be-LT)を行い感作能の違いを検討した。 (結果)Be-LT値は、対照群116.8±11.4%、BeO投与群283.6±96.1%、BeO+BeSO_4投与群142.8±36.3%であった。BeO投与群は、対照群と比較してBe-LT値が有意に高く、BeO+BeSO_4投与群との比較においても、有意な高値を示した。 2).Adjuvant非投与群(BeSO_4溶液)、FCA併用群(BeSO_4+FCA溶液)、FIA併用群(BeSO_4+FIA溶液)に分け、Be-LTを行い感作能の違いを検討した。 (結果)Be-LT値はadjuvant非投与群112.2±24.9%,FCA併用群283.6±155.6%、FIA併用群185.4±67.9%であった。FCA併用群は、adjuvant非投与群と比較して有意な高値を示した。 (考察)実験1におけるBe投与群のBe-LT値の変化をみると、BeO投与群におけるBe-LT値は、BeO+BeSO_4投与群におけるBe-LT値に比べて高い値を示した。著者らは、BeOとBeCl_2をモルモットの胸腔内及び腹腔内投与し、BeCl_2を腹腔内投与した場合にBe-LT値の上昇を認めたと報告している。今回のBeSO_4の腹腔内投与実験成績では、従来の結果とは異なりBe-LT値が低下しており、免疫活性が抑制されていることを窺わせた。即ち、Be化合物の腹腔内投与では、Be化合物の違いにより、その免疫学的作用が増強的に働く場合と抑制的に働く場合があることが示唆された。次に、実験1でのBeO投与群のBe-LT値及び実験2のFCA併用群のBe-LT値が他の実験群に比べて高値を示した。この結果は、Be化合物感作動物を作成する為には、気管内投与もしくはFCAを用いての皮内投与が有用であることを示唆している。
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