1999 Fiscal Year Annual Research Report
粉じんの種類・曝露状況と関連疾患の発症・転帰に関わる検証
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11670398
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
八幡 勝也 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (10248594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和 浩 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教授 (90248592)
森本 泰夫 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教授 (30258628)
東 敏昭 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (10119000)
吉積 宏治 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (50291844)
保利 一 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (70140902)
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Keywords | 粉じん曝露 / 肺機能検査 / 喫煙 / じん肺 |
Research Abstract |
初年度は、粉塵作業場従事者の肺機能をデータベース化し、粉塵作業と喫煙が肺機能障害を引き起こすか、両者が相乗的に増悪作業を引き起こすかを検討した。 対象と方法;某大手窯業企業勤務の45歳以上男性を対象に、本年度は1995年から1997年の定期健康診断の際に実施していた既存の肺機能検査結果の比較を行った。各労働者の粉塵曝露評価は、現在従事している作業場の粉塵作業環境を、作業環境測定結果および安全衛生担当者と産業医の職場巡視結果より、A:高粉塵作業場従事B:低粉塵作業場従事C:非粉塵作業場従事と分類した。また、喫煙歴の情報は健康診断の結果より、A:現喫煙B:既喫煙C:非喫煙と分類した。これら2つの因子による分類によって、簡易曝露マトリックスを作成した(9群に分類)。そのマトリックスにより分類された9群間で、FVC(努力性肺活量)とFEV_<1.0>%(1秒率)の変化率を比較検討した。 結果;現在解析が終了しているデータにおいて、2年間の経年的変化の中で、"高粉塵作業場従事+現喫煙者"群と"低粉塵作業場従事+非喫煙者"群を比較した場合、FVCの変化率が、有意に前者の低下率が高いという結果が得られ、粉塵作業と喫煙が協調的に肺機能障害を起こす可能性が示唆された。次年度は、これまでの累積曝露の評価も実施するために、現在職歴原簿の作成をする。その職歴原簿には、これまでの作業場の推移・その作業場の作業環境測定結果・その他の有害作業物質使用の有無・マスク着用状況・同作業所において一緒に作業していた労働者・作業場簡易平面図を記載する予定である。
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