1999 Fiscal Year Annual Research Report
個々人にみあった成人病予防法確立に関する研究:高トリグリセリド血症をモデルとして
Project/Area Number |
11670402
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
高木 敦子 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 室長 (90179416)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 康行 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室長 (90176107)
|
Keywords | リポ蛋白リパーゼ / 高トリグリセリド血症 / ヘテロ接合体 / 遺伝子変異 / IV型高脂血症 / 遺伝子変異 / テーラーメイド医療 / 生活習慣病 |
Research Abstract |
生活習慣病予防のため、個々人の遺伝背景からみた弱点を中心に予防する方法が実際的であると考え、高トリグリセリド(TG)血症をモデル系として、個々人にみあった予防法を確立することを目的とした。本年度はLPL遺伝子診断迅速化のため、日本における本変異集積を行った。そのためにまず、高TG血症者(血清TG値が150mg/dl以上)からのヘパリン静注後血漿のLPL蛋白量を我々の開発したサンドイッチ-EIA法で測定した。この中から低LPL値を示す対象者を検出した(計画[1])。ここで検出された対象者はLPL遺伝子異常ヘテロあるいはホモ接合体と推定されるので、既知LPL遺伝子変異の有無をPCR-RFLP法でスクリーニングした。その結果、欧米諸国では高頻度に見い出されているLPL遺伝子変異G188Eが本国で始めて見いだされた。その他D204Eも検出した(計画[2])。更に、未知変異として、G154V、G105R、イントロン8の5'側2番目のt→c変異を新たに見い出した(計画[3])。ミッセンス変異については原因変異であることをCOS-1細胞の発現系にて確認した。イントロン変異については患者血液よりのマクロファージからRNAを得、RT-PCR法で異常スプライス産物を同定した。その結果、エキソン8内のGT(LPLcDNAの1363番目のG)がスプライスに利用され、LPLcDNA1363-1496の欠損した異常mRNAが合成されていることがわかった(計画[4])。イントロン3の3'端より6塩基上流のc→t変異についても、同様に行ったが異常スプライス産物はなかった。スプライス異常により極度にmRNAが不安定になった可能性をin vitro系で検討中である(計画[5])。以上の成果により、日本でのLPL遺伝子診断がより簡便化され、高TG血症の診断と予防に貢献するものと考えられる。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Nishimura M: "Development and evaluation of a direct sandwich-enzyme-linked immunosorbent assay for the quantification of human hepatic triglyceride lipase mass in human plasma"J Immunol Methods. 235-1. 41-51 (2000)
-
[Publications] Ashida Y: "Improved method for non-denaturing polyacrylamide gradient gel electrophoresis for detection of small-sized LDL produced during postprandial hypertriglyceridemia"Scand. J Clin Lab Invest. 59. 663-670 (1999)
-
[Publications] Takagi A: "Identification of compound heterozygous mutations (G188E/W382X) of lipoprotein lipase gene in a Japanese infant with hyperchylomicronemia : the G188E mutation was newly identified in Japanese"Clinica Chimica Acta. 285・1〜2. 143-154 (1999)
-
[Publications] Kimura H: "Development and evaluation of a direct sandwich enzyme-linked immunosorbent assay for the quantification of lipoprotein lipase mass in human plasma"Clinn Biochem. 32・1. 15-23 (1999)
-
[Publications] 中田裕生: "生後53日で発見されたリポ蛋白リパーゼ欠損症の1例"小児科臨床. 52. 907-910 (1999)
-
[Publications] 玉沢直樹: "妊娠により高トリグリセリド血症を繰り返したLPL完全欠損症(ホモ接合体)の1例"The Lipid. 11・1. 79-84 (2000)
-
[Publications] 高木敦子: "リポ蛋白リパーゼ(LPL)"日本臨床. 57・増刊. 62-68 (1999)