1999 Fiscal Year Annual Research Report
剖検試料を用いたin-situ-PCR法による、急死例の死因診断技術の開発
Project/Area Number |
11670415
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
本田 克也 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00240789)
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Keywords | 法医解剖 / 窒息 / ウイルス感染 / in-situ-PCR / 急死 |
Research Abstract |
本研究は、法医解剖における死因決定が困難な急死例について、その死因をDNA解析法を応用した病理組織学的診断法を応用することが目的である。この観点から、特に外因死のうち死因推定が困難である窒息死について、酸素欠乏状態で発現される酵素群をRNAレベルで発現を追跡することと、内因死については病理組織学的診断がやや困難なウイルス感染症について、特にin-situ-PCR法によるDNAウイルスの検出を目的とした実験系を計画した。 そのために平成11年度は、窒息が死因となった解剖事例をおよそ40例数集め、またその他の原因不明の急死(乳幼児、青年等)についてもおよそ11例について試料を収集した。臓器としては心臓、肺、肝臓、腎臓、脳、および血液を中心として、一部は凍結保存し、一部はホルマリン固定した。 また実験としては血液からDNAを抽出し、まずはヘルペスウイルス群のうち、単純ヘルペス、サイトメガロ、EB等につき、感染の有無についてスクリーニング検査を行ったが、急死例において血液から検出されうるこれらウイルスの感染率はさほど高くなく約5%程度であった。 またin-situ-PCR法についてはダイレクト法について実験条件の確定を行ってきたが、UTPラベルでは非特異反応が出やすく、しばしばfalse-positiveの結果が出ることが判明した。その後検討を重ねた結果、プライマーラベルにより特異性の高い反応が得られる方法が有効であることを見いだした。 ウイルス感染については、急死例においてさほど因果関係が強くない可能性が出てきたことから、外因死例についてはさらに検索範囲を真菌にまで広げて、PCR-PFLP法やRAPD法を応用して検索した後、Hopferらによる真菌特異的配列(18SrDNA中の687bp)を標的とするin-situ-PCR法の応用により、多種の真菌群につて検討していく予定である。
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