2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11670416
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
池淵 淳 鳥取大学, 医学部, 助手 (30150361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入澤 淑人 鳥取大学, 医学部, 講師 (90112226)
湯浅 勲 鳥取大学, 医学部, 教授 (00093633)
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Keywords | 薬物代謝酵素 / チトクロームP-450 / CYP2C19遺伝子 / 遺伝子型 / 表現型 / 遺伝子多型性 / 個人差 / 中毒学 |
Research Abstract |
チトクロームP-450(CYP)は、薬物の代謝に中心的な働きをする酵素であり、特に中毒学領域で重要視されている。本研究では、CYP分子種の中で特に基質特異性が高く、毒性・副作用の発現の個人差に注意を要するCYP2C19のジェノタイプを調べ、その変異がもたらす毒性や薬効の発現について、検討をおこなった。 ヒト末梢血白血球部分をプロテナーゼK/SDS処理し、フェノール/クロロホルム抽出した後、エタノール沈殿によってDNAを回収し、PCR-RFLP法によって塩基配列を解析した。すなわちCYP2C19遺伝子型の判定において、5'-AATTACAACCAGAGCTTGGC-3'と5-'TATCACTTTCCATAAAAGCAAG-3'および5'-TATTATTATCTGTTAACTAATATGA-3'と5'-ACTTCAGGGCTTGGTCAATA-3'の2組のプライマーを作成し、allele-specific PCR法により増幅を行った。RFLP法は、SmaI、BamHIで消化後、10%ポリアクリルアミドゲルで泳動し、銀染色を行った。その結果、allele-specific PCR法により増幅した産物からRFLP法でCYP2C19の遺伝子型の判定が可能で、CYP2C19wtの他に、CYP2C19m1およびCYP2C19m2が検出された。さらにこれらについては、OmeprazoleをプローブとしてHPLCにより、血清中のOmeprazole/OH-Omeprazole値からCYP2C19の酵素活性を調べた。その結果、wt型に比べて著しい活性の低下が認められ、遺伝子型と表現型の結果は一致していた。以上のことから、薬物代謝能における遺伝的素因は薬物動態の個人差を根本的に左右する因子であり、薬物代謝酵素の遺伝子型の判定は中毒学的診断に今後極めて有用になる、と確信する。
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Research Products
(1 results)