2000 Fiscal Year Annual Research Report
単離心室筋細胞を用いた覚醒剤乱用における心病変発生メカニズムの解明
Project/Area Number |
11670423
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
前野 善孝 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (00145749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩佐 峰雄 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (00021452)
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Keywords | 覚醒剤 / 単離心筋細胞 / 心肥大 / カテコールアミン / ANP / 中毒 / 微小管 / アクチン |
Research Abstract |
覚醒剤乱用者の突然死症例に見られる心病変への覚醒剤(MAP)の直接的な関与を調べるため、心室筋細胞を単離培養し、MAPを暴露して形態変化を観察した。心室筋細胞を単離後6日目よりMAPを7日間暴露することにより心筋細胞の形態変化に伴うcell sizeの増加が促進される現象が見出された。しかしながら、これらの現象は、培養液中に10%の血清が添加された条件で見られるもので、血清中の微量に存在する各種成長ホルモンやカテコールアミンなどの影響を無視することができなかった。そこで、血清無添加の培養系で同様の暴露実験を行ったところ、MAP濃度が0.05mMと0.1mMのものでcell size増加の程度は、血清添加条件のものに比べると小さいものの、やはりコントロールよりも有意に促進され、暴露7日目でそれぞれ1.3倍、1.7倍となった。このことより、確かにMAPは心筋細胞に対してcellular hypertrophyを促進する直接作用があることが示唆された。一方、血清添加条件での実験でも見られたように0.5mMの高濃度のMAP暴露では、これらの現象は観察されず、その時の細胞骨格を細見すると、免疫組織学的に微小管とアクチンの構造障害が観察された。更に、MAPが心筋細胞の受容体を介しているか否かを調べるため、まず、adrenergic receptorについてα及びβ adrenergic antagonistを用いて検索を行った。その結果、0.1mM MAP暴露によるcell size増大の促進効果は、α-antagonistのterazosin 10μMで有意に抑制することができた。このことより、心病変に見られる心筋細胞のcellular hypertrophyへのMAPの直接作用は、α-adrenergic receptorを介している可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yoshitaka Maeno, et al.: "Methamphetamine induces an increase in cell size and reorganization of myofibrils in cultured adult rat cardiomyocytes."International Journal of Legal Medicine. 113. 201-207 (2000)
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[Publications] Yoshitaka Maeno, et al: "Direct effects of methamphetamine on hypertrophy and microtubules in cultured adult rat ventricular myocytes."Forensic Science International. 113. 239-243 (2000)