2000 Fiscal Year Annual Research Report
全身性エリテマトーデスにおけるCTLA-4遺伝子変異体の発現解析と臨床的意義
Project/Area Number |
11670432
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小林 清一 北海道大学, 医療技術短期大学部, 教授 (30150246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 隆則 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (20312423)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / 可溶性CTLA-4 / サンドイッチELISA / 疾患活動性 / 二量体 / キャリア蛋白 |
Research Abstract |
平成12年度の研究計画を実行し,以下の研究成果を得た. 1.可溶性CTLA-4の臨床的意義 前年度において作製したモノクローナル抗可溶性CTLA-4抗体(H11.6 : IgG2a,κ)を使用したサンドイッチELISA法により,全身性エリテマトーデス(SLE)患者(n=49)と健常者(n=36)の血清中可溶性CTLA-4レベルを測定した.健常者群では中央値49.3U/mlに対してSLE群では中央値33.0U/mlであり,SLE群では健常者群に比較して可溶性CTLA-4レベルが有意に低下していた(P<0.03).健常者群ではある一定レベル以上の可溶性CTLA-4が認められるのに対して,SLE群では可溶性CTLA-4が血清中に殆ど認められない症例が約22%(11/49)も存在していた.可溶性CTLA-4低下SLEは白血球数減少や補体価低下傾向が認められ,SLEの疾患活動性を反映していると考えられた. 2.可溶性CTLA-4の構造解析と存在様式 可溶性CTLA-4cDNAの発現ベクターをFuGENE6法によりCOS-7細胞に遺伝子導入し,低血清培養液中の可溶性CTLA-4活性をELISA法により確認した後,Superose 12 HPLCにて解析した.可溶性CTLA-4活性はヒト血清アルブミン(HSA)ピークとは異なる分子量約26,000の位置に検出されたことから,二量体として存在することが明らかとなった.次に血清中の存在様式を調べるために,可溶性CTLA-4活性のない健常者血清と混合して同様に解析すると,可溶性CTLA-4活性はアルブミンピークに一致していた.また,この活性ピークを陰イオン交換クロマトグラフィーにて再解析しても,アルブミンと可溶性CTLA-4活性は同一ピークを示したことから,可溶性CTLA-4のキャリア蛋白はアルブミンであることが初めて明らかとなった.しかし,可溶性CTLA-4を精製HSAと混合しても,両ピークは一致しないことから,血清中の第三の成分が可溶性CTLA-4とアルブミンの会合に関与している可能性も示唆された.
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[Publications] M.Mukai: "Liver dysfunction due to apoptosis in a patient with systemic lupus erythematosus."Lupus. 9・1. 74-77 (2000)
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[Publications] S.Nakajima: "Hemopexin, as a carrier protein of tumor-localizing Gametalloporphyrin-ATN-2."Cancer Letter. 149・1-2. 221-226 (2000)
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[Publications] 小林清一: "自己免疫疾患とFas/FasL異常"臨床検査. 44・4. 405-410 (2000)
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[Publications] 森山隆則: "母体由来のヒト抗マウス抗体(HAMA)による新生児の見かけ上の高TSH血症に関する研究"北海道大学医療技術短期大学部紀要. 13. 1-7 (2000)