2000 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子fosの発現調節を介する病態形成のメカニズム(-遺伝子発現を変化させる細胞外ストレス刺激とその鋭敏な検出法の開発)
Project/Area Number |
11670437
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五十嵐 徹也 東京大学, 医学部・附属病院分院, 助教授 (00134601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 敏夫 東京大学, 医学部・附属病院分院, 助手 (20323545)
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Keywords | ストレス刺激 / 熱ショック蛋白 / c-fos / プロスタグランディン / ホルモン様内分泌攪乱物質 |
Research Abstract |
1)ストレスによるc-fos遺伝子およびAP-1活性の上昇。従来はc-fos遺伝子上流域には、熱ショック蛋白遺伝子上流に共通して見られるheat shock element(HSE)は存在しないとされていたが、我々はヒト・ラット・マウスのc-fos遺伝子上流に、HSEが存在することを証明した(BBRC254:566,1999)。さらに、実際にprostaglandin A_1(PGA_1)が、このHSEを介してc-fosの発現を亢進させ、24時間後にはc-Fos蛋白が構成要素となっている転写因子AP-1の活性をも高めることを示した。AP-1活性の上昇は、AP-1 siteを有するレポーターの発現するルシフェラーゼ蛋白のアッセイによっては検出出来ず、ゲルシフト・ノザンブロットによるルシフェラーゼmRNAレベルでのレポータージーンアッセイ・24時間後にPGA_1を除いた後、レポーターを導入した細胞をさらに4時間培養した後に行ったルシフェラーゼ蛋白活性の測定によって検出することが可能であった。この結果は、ストレスに応答する遺伝子の中には、ストレスによりmRNAの発現は高まるものの、蛋白の発現はストレスの最中には亢進せず、ストレスが除かれた直後(虚血後再灌流・急速な高/低浸透圧血症の是正・急速な透析等)に高まる可能性があることを示唆した(MCE164:77,2000)。2)環境ホルモン様物質活性の検出。1)の研究の過程で、estrogenがc-fosや熱ショック蛋白の発現を亢進させること・HSEを介した転写は種々の毒物によっても亢進すること等に興味を持ち、様々なPilot studyを行ったところ、実は女性ホルモン様内分泌攪乱物質は一般に世の中で言われているよりも、さらに身近なところにも存在する可能性が示され、現在研究が進行中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ishikawa T,Igarashi T,Hata K,Fujita T: "Prostaglandin E2 enhances estrogen receptor a-mediated transcription possibly not via activation of prostanoid receptors."82nd annual meeting of The Endocrine Society. (2000)
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[Publications] Igarashi T,Ogata E,Maruyama K,Fukuda T,Azuma J: "Effect of Calcimimetic Agent,KRN568,on Gastrin Secretion in Healthy Subjects."Endocrine J.. 47. 517-523 (2000)
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[Publications] Ishikawa T,Igarashi T,Hata T,Fujita T: "High dose furosemidc and bumetanide enhance transcription mediated by estrogen receptor-A."11 th International Congress of Endocrinology (ICE2000). Abstr448. 1418 (2000)
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[Publications] Nishimori S,Tanaka Y,Chiba T,Igarashi T,Fujita T, et al.: "Smad-mediated transcription is required for TGF-betal-induced p57Kip2 Proteolysis in Osteoblastic Cells."J.Biol.Chem.. (in print). (2001)