2000 Fiscal Year Annual Research Report
膜型ヘパリン結合性EGF様増殖因子(HB-EGF)のアポトーシス抑制機序
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11670453
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松山 隆美 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30145479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 紀子 鹿児島大学, 医学部, 助手 (00244228)
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Keywords | HB-EGF / 慢性関節リウマチ / 滑膜 / アポトーシス |
Research Abstract |
今年度は昨年より症例を追加し、以下の検討をおこなった。 1)慢性関節リウマチ(RA)滑膜細胞をCD163陽性(マクロファージ系細胞)とCD163陽性細胞に分離し、HB-EGFにてRT-PCRをおこなったところ、CD163陰性細胞にもCD163陰性細胞と同程度にHB-EGFを発現している症例がみられた。また、変形性関節炎(OA)の滑膜細胞においても、RA滑膜細胞と同程度にHB-EGFを発現している症例がみられた。CD163陰性細胞の多くは線維芽細胞と考えられるが、HB-EGFのアンチセンスRNAプローベを用いたRA滑膜組織のin situ Hybridizationの結果も、滑膜線維芽細胞におけるHB-EGFの発現を示した。線維芽細胞におけるHB-EGF発現の報告は少なく、滑膜線維芽細胞においてはHB-EGF発現の機序について今後検討する予定である。 2)Raji細胞はHB-EGFを発現していないので、pcDNA3に組み込んだHB-EGFをRaji細胞に遺伝子導入し、transformantを得た。この細胞を用いて、Jurkat細胞のアポトーシスに及ぼす膜型HB-EGFの影響を検討したが一定の結果はみられなかった。また、Jurkat細胞のアポトーシスに及ぼすヘパラン硫酸,コンドロイチン硫酸の影響を検討したところ、ヘパラン硫酸のアポトーシス抑制作用が示されたので、この系におけるヘパラン硫酸のアポトーシス抑制が、Jurkat細胞の膜型HB-EGFによるものか今後検討する予定である。
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