1999 Fiscal Year Annual Research Report
全身性エリテマトーデスの病因としての内在性レトロウイルス-遺伝子治療への可能性-
Project/Area Number |
11670456
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
関川 巌 順天堂大学, 医学部, 助教授 (80179332)
|
Keywords | 全身性エリテマトーデス / レトロウイルス / ヒト内在性レトロウイルス |
Research Abstract |
本研究(課題番号11670456)での、今年度の主な研究成果は以下の通りである。 (1)全身性エリテマトーデス(SLE)患者では、ヒト内在性レトロウイルス(HERV)clone4-1のgag、env領域遺伝子のmRNAへの転写が認められる。 (2)SLE患者リンパ球にはclone4-1 gagウイルス蛋白が同定されているが、転写されているSLE患者clone4-1のgag領域遺伝子には、報告されているprototypeのclone4-1に存在しているstop codonが共通して破壊されており、これが、clone4-1蛋白への翻訳に関連していると考えられる。 (3)GeneBank databaseを用いて検索すると、SLEで転写されているclone4-1は、第11番染色体短腕側に局在しているclone4-1と相同性が高く、この部分のHERVが転写されている可能性が高い。 (4)健常者で、この転写がみられないのは、methylationによる転写阻止が関連している可能性が高い。 (5)SLEでのclone4-1のmRNA量をRQ-PCR(TaqMan法)にて解析すると、治療による病態の改善で、その量に著しい低下がみられる。 (6)Clone4-1由来のウイルス合成ペプチドは、T細胞の活性化、不応性(anergy)、多クローン性B細胞活性化などSLEに特徴的なリンパ球機能異常を誘導しうる。 以上の結果を踏まえて、clone4-1 gag遺伝子挿入発現ベクターを用いた、細胞およびマウスへの移入実験を計画中である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] S.Lee et al.: "Circulating IL-16 in systemic lupus erythematosus patients"Br.J.Rheumatol.. 37. 1334-1337 (1998)
-
[Publications] H.Ogasawara et al.: "Inhibitory effect of IL-16 on IL-2 production by CD4^+ T cells."Immunology. 96. 215-219 (1998)
-
[Publications] H.Kaneko et al.: "Circulating levels of β-chemokines in systemic lupus erythematosus."J.Rheumatol.. 26. 568-573 (1999)
-
[Publications] K.Ichiyama et al.: "HIV-2 binds to CD8 but does not infect CD8^+ T cells"AIDS Res.Hum.Retroviruses. 15. 687-688 (1999)
-
[Publications] H.Ogasawara et al.: "Molecular mimicry between human endogenous retrovirus and HLA-I"Rheumatology. 38. 1163-1164 (1999)
-
[Publications] N.Maeda et al.: "Relationship between CD4/CD8 ratio and T cell activation in SLE"Scand.J.Rheumatol.. 29. 166-170 (1999)