2000 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息の慢性化および難治化の制御因子に関する分子生物学的研究-マウス喘息モデルを用いたリモデリングの形成機序と制御因子の解析-
Project/Area Number |
11670459
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Research Institution | Teikyo University School of Medicine |
Principal Investigator |
山下 直美 帝京大学, 医学部, 助教授 (20239974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 崇 帝京大学, 医学部, 助手 (90312008)
中野 純一 帝京大学, 医学部, 講師 (20240707)
大田 健 帝京大学, 医学部, 教授 (30160500)
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Keywords | 喘息 / PDGF / TGF-β / リモデリング / マウス / アレルゲン / 気道過敏性 |
Research Abstract |
気道のリモデリングはアレルギー性炎症による気道の傷害の修復過程に起こる構造的変化であり、これが喘息の難治化および非可逆性誘導に関与していることが想定されている。われわれはマウスの喘息モデルで気道のリモデリングを評価できる系を確立してきた。大気汚染排気微粒子(DEP)を2週間経気道的に暴露すると、アセチルコリンに対する気道収縮の反応性が増加し、気道局所では、気道上皮の傷害、粘液分泌細胞であるクララ細胞の増生および基底膜下組織の肥厚が認められる。液性因子として、線維芽細胞の増殖に関与するサイトカインに注目してまず検討した。この基底膜下組織の肥厚はPDGFおよびTGF-β中和抗体を投与することにより抑制され、気道過敏性の亢進も改善する。さらに抗原感作のモデルで気道のリモデリングについて評価した。特異抗原として卵白アルブミン(OA)を用いアラムとともに免疫したのち吸入感作した。OA吸入により気道上皮の変化とともに基底膜下の線維化が誘導される。この、抗原特異的の系ではPDGF中和抗体ではリモデリングを抑制できなかった。一方TGF-β中和抗体を投与することにより、気道局所への炎症細胞浸潤には有意な影響を及ぼさずに、基底膜下組織の線維化をコントロールすることが可能であった。DEPのような非特異的な刺激下と抗原刺激下でコントロールできる液性因子が異なる可能性が考えられた。今後すでに起こっている基底膜下組織の線維化を液性因子のレベルで制御する可能性について検討を勧めていく予定である。
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[Publications] Yamashite N et al: "PDGF is involved in the augementation of air way"J.Allergy Clin Immunol. 107. 135-141 (2001)
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[Publications] Yamashite N et al: "NF・KB mediates interleukin-8 production"Int Arch Allergy Immunol. 120. 230-236 (1999)
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[Publications] Aoyago T et al: "Elevated CTLA-4 expression on CD4 Tcells"Clin Exp Immunol. 119. 14-21 (2000)
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[Publications] Ohta K et al: "DEP induces air way hyperresponsivenese"J.Allergy Clin Immunol. 104. 1024-1030 (1999)
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[Publications] Minoguchi K et al: "Protein Tyrosine phosphoylation"Int Arch Allergy Immunol. 118. 30-36 (1999)
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[Publications] Furue M et al: "Soluble E-selectin and eosinophil"Br J.Dermatol. 140. 67-72 (1999)