2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト好酸球のメタロプロテアーゼ遊離機序に関する研究
Project/Area Number |
11670464
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
高藤 繁 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (90179549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮国 友治 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (30308514)
中川 武正 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (10107625)
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Keywords | 好中球 / 好酸球 / メタロプロテアーゼ / FMLP / G蛋白質 |
Research Abstract |
近年、種々の炎症性疾患、悪性腫瘍において諸種細胞からのプロテアーゼが細胞浸潤、組織傷害、組織リモデリングに関与していることが示されている。そして、気管支喘息においても、好酸球からのプロテアーゼ、特にメタロプロテアーゼ9(MMP-9)が気道の間質マトリックスや基底膜の破壊を起こし、さらには気道のリモデリングにつながる可能性が指摘されている。しかしながら、組織において、何を刺激としてどのようなメカニズムで好酸球を含めて白血球からMMP-9が遊離されるかはほとんど明らかにされていない。平成11年度は、ヒト好中球による各種刺激によるMMP-9遊離をGM-CSFによるプライミング効果も含めて検討し、本年度の研究では種々の条件でヒト好酸球からの遊離を検討するとともに、ヒト好中球からの遊離におけるシグナル伝達機構について検討した。 その結果は、ヒト好酸球はC5a、FMLP、PAFいずれの刺激においても有意なMMP-9遊離を認めなかった。また、IL-5プライミングののち上記刺激を加えた場合も有意なMMP-9遊離は惹起されなかった。次に、ヒト好中球からのFMLP刺激MMP-9遊離におけるシグナル伝達に関して、PTX前処置は明らかにMMP-9遊離を抑制した。従って、FMLP惹起MMP-9遊離のシグナル伝達系においてPTX感受性G蛋白の関与が示唆された。以上から、ヒト白血球において、MMP-9は主として好中球から遊離され、好中球に対する刺激としてFMLPが有効であり、その際のシグナル伝達においてPTX感受性G蛋白が関与することが示唆された。
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[Publications] Takafuji S,Nakagawa T et al.: "Effects of human lung fibroblasts on eosinophil degranulation."Allergy. 55. 1-9 (2000)
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[Publications] Takafuji S,Nakagawa T: "Air pollution and allergy."J Invest Allergol Clin Immunol. 10. 5-10 (2000)
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[Publications] Nakagawa T et al.: "Clinical outcome of combination therapy by anti-allergic drugs in adult patients with bronchial asthma."Int Arch Allergy Immunol. 118. 347-378 (1999)
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[Publications] Takafuji S,Nakagawa T et al.: "Release of granule proteins from human eosinophils stimulated with mast-cell mediators."Allergy. 53. 951-956 (1998)
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[Publications] Takafuji S,Nakagawa T et al.: "Eosinophil degranulation in the presence of lung fibroblasts."Int Arch Allergy Immunol. 117. 52-54 (1998)
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[Publications] Kunitoh H,Nakagawa T et al.: "A double-blind, placebo-controlled trial of the thromboxane synthase blocker OKY-046 on bronchial hypersensitivity in broncial asthma patients."J Asthma. 35. 355-360 (1998)