2000 Fiscal Year Annual Research Report
肝再生におけるアクチビン・TGF-βの作用の解析-肝再生開始作用におけるSmad系についての検討
Project/Area Number |
11670477
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Research Institution | Universtiy of Tokyo |
Principal Investigator |
安田 宏 東京大学, 医学部・附属病院分院, 助手 (80262129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 洋英 東京大学, 医学部・附属病院分院, 助手 (00313023)
峯 徹哉 東京大学, 医学部・附属病院分院, 講師 (20157572)
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Keywords | 肝再生 / アクチビン / TGF-β / Smad |
Research Abstract |
肝再生抑制因子であるTGF-βとアクチビンの細胞内情報伝達因子として注目されているSmad白の、肝細胞における役割の検討を行った。(1)まずラット肝でのSmad蛋白mRNAの発現を検討した。Ligand特異的SmadとしてはSmad2とSmad3の発現がみられ、また共通SmadのSmad4の発現がみられた。次にラット70%肝切除後の残存肝での発現を経時的に検討したが、これらの明らかな発現の変化はみられなかった。TGF-βあるいはアクチビン刺激によってSmad2/3/4の細胞質から核への移行が蛍光抗体法および核抽出液のウエスタンブロッティング法で観察された。(2)Smad蛋白はそのC末端のリン酸化で活性化されるが、このC末端の3セリン残基を全てアラニンに置換したdominant negative smad2および3(Smad2-3SAおよびSmad3-3SA)を作成し、ヒト肝細胞由来のHep3B細胞へ遺伝子導入を行い、TGE-βとアクチビンのDNA合成抑制作用およびアポトーシス誘導作用がどのように影響されるかの検討を行った。TGF-βおよびアクチビンによるDNA合成抑制作用はSmad2-3SAおよびSmad3-3SA遺伝子導入によって同等にブロックされた。アポトーシス誘導作用はSmad2-SAによってほぼ完全にブロックされた。(3)抑制性Smadである、Smad6および7の検討を行った。ラット70%肝切除後の残存肝では、内因性アクチビンの発現がピークになる切除後24-48時間と一致してSmad7の発現増強が認められた。Hep3B細胞にSmad7の遣伝子導入を行うと、TGF-βあるいはアクチビンのDNA合成抑制作用およびアポトーシス誘導作用はいずれもブロックされた。Smad7はnegative feedback loopの一環を形成しているものと考えられた。
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[Publications] Myung CS,Yasuda H,Liu WW,Harden TK,Gamison JC.: "Role of isoprenoid lipid on the heterotrimeric G protein γ subunit in determining effector activation."J.Biol.Chem.. 274. 16595-16603 (1999)
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[Publications] Ueda N,Ohnishi H,Kanamaru C,Suzuki J,Tsuchida T,Mashima H,Yasuda H,Fujita T.: "Kinesin is involved in the regulation of rat pancreatic amylase secretion."Gastroenterology. 119. 1123-1131 (2000)
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[Publications] Suzuki J,Ohnishi H,Shibata H,Wada A,Hirayama T,lin T,Ueda N,Kanamaru C,Tsuchida T,Mashima H,Yasuda H,Fujita T.: "Dynamin is involved in the vacuolation induced by Helicobacter pylon vacuolating cytotoxin (VacA) in human epithelial cells."J.Clin.Invest.. 107. 363-370 (2001)