1999 Fiscal Year Annual Research Report
HBVキャリアからの劇症肝炎発症のメカニズムの検討
Project/Area Number |
11670480
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丸山 稔之 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30219571)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 久登 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10301102)
光井 洋 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30239280)
小池 和彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80240703)
當間 重人 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50207528)
青木 克己 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40291322)
|
Keywords | 劇症肝炎 / HBVキャリアー / 免疫抑制剤 / 塩基配列 / TNFα / IL1 / IFNγ |
Research Abstract |
わが国での劇症肝炎の成因では,約90%がウイルス性と考えられており,そのうち,B型の占める比率はなお30%をしめている.HBVキャリアからの劇症肝炎発症の80-90%は免疫抑制剤の投与が誘因となって発症している。免疫抑制剤の投与後に劇症化(重症化)する劇症(A群)と、投与後も肝炎を起こさない症例(B群)との2群間で、ウイルス側の要因と免疫応答関連因子のについて検討を行い、B型劇症肝炎発症のメカニズムの解明を行った。 (1)対象症例のHBV-DNAの全塩基配列の解析 ウイルス側の要因を比較するため、免疫抑制剤の投与により劇症化した症例と劇症化しなかった症例について、血清からHBV-DNAを抽出し、PCR法にて増幅し、サブクローニングを行い、全項域の塩基配列の解析を行った。HBs領域、Pre-C〜Core領域、X領域、polymerase領域のどの領域についても多数の変異を認めた。Polymerase領域の一部にA群により多く見られる変異があったため、慢性B型肝炎においても認められるかどうかの検討を行っている。ウイルス量の比較では、A群では、発症直前にHBV-DNAの著明な増殖を伴っていたが、B群ではきわめて低値であった。 (2)対象症例の血清・血漿中のサイトカイン・免疫応答関連因子の測定。 血清・血漿中のサイトカインとして、インターロイキ(IL)1、IFNγ、TNFαの測定を行った。劇症化(重症化)した症例(A群)は、肝炎を起こさなかった症例(B群)に比較すると、いずれも高値であった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Aoki K. et al.: "The DNA binding activity of translin is mediated by a basic region in the ring-shaped structure conserved in evolution"FEBS Letters. 443. 363-366 (1999)
-
[Publications] Koike K. et al.: "Steatosis and intrahepatic hepatitis C virus in chronic lepatitis"J. Medical Virology. 59. 141-145 (1999)