2000 Fiscal Year Annual Research Report
HLA領域新高多型マイクロサテライトによる潰瘍性大腸炎疾患感受性遺伝子局在の検討
Project/Area Number |
11670484
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Research Institution | Niigata university |
Principal Investigator |
杉村 一仁 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (80270940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝倉 均 新潟大学, 医学部, 教授 (20051451)
猪子 英俊 東海大学, 医学部, 教授 (10101932)
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / HLA抗原 / 疾患感受性遺伝子 / microsatellite marker / mapping |
Research Abstract |
【目的】複合遺伝性疾患の潰瘍性大腸炎(UC)において主要感受性遺伝子の同定は困難であった。我々はHLA領域に近年同定された新たなマイクロサテライトを検討し、同祖的保存領域を確認することにより、HLA領域に存在する疾患感受性遺伝子の局在の推定を行った。 【方法】遺伝子解析についてインフォームドコンセントを得た日本人非血縁潰瘍性大腸炎患者49名と、日本人健常者236名の、HLA領域に存在する新規高多型マイクロサテライトについて、対立多型の検出を行った。同時にA・B・DR HLA抗原に対してタイピングを行った。各々の表現形はχ^2を用いて検定された。 【結果】検討されたmarker群のうち、C1-2-A microsatellite markerと日本人潰瘍性大腸炎患者との間に最も強い相関をみとめた。HLA-A抗原遺伝子座よりもtelomea側、およびHLA-DPB遺伝子座よりもcentromea側に存在するmarkerにおいては、日本人UCとの有意な相関が認められなかった。日本人UC患者HLA領域のうち、MICA遺伝子座〜D6S276microsatellite marker間に極めてよく保存された領域が認められた。またこの亜領域は、古典的HLA抗原遺伝子座を含んでいなかった。 【結語】今回我々の明らかにした領域は古典的HLA抗原を含まず、このことはHLA領域の疾患感受性遺伝子の同定と機能解析から、疾患原因を論理的に追求し得る可能性を示唆している。当該亜領域には約30の遺伝子座が存在しており、今後疾患感受性遺伝子の同定にむけて精力的な研究が必要であろう。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sugimura K,: "A close relationship of triplet repeat polymorphism in the MHC class I chain-related gene A (MICA) to the disease susceptibility and behavior in ulcerative colitis."Tissue Antigens. (in press). (2001)
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[Publications] Ishizuka K,: "Influence of Interleukin-10 on the Interleukin-1 receptor antagonist (IL-1ra)/Interleukin-1beta ratio in the colonic mucosa of ulcerative colitis."Digestion. 63(supple1). 23-27 (2001)
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[Publications] Sugimura K,: "Gastrointestinal function, regulation and disturbances."In : Tsuchiya M,Matsuo Y,Kasuya Y,Muto T,eds.Elsevier Science K.K.Tokyo :. in press (2001)