1999 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞と腫瘍細胞のハイブリドーマによるヒト肝癌特異的免疫反応の誘導
Project/Area Number |
11670485
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
清水 幸裕 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (00235673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 明治 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (00033390)
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Keywords | 肝疾患 / 樹状細胞 / フローサイトメトリー / CD11c / CD123 / 共刺激分子 / SCID-hu マウス |
Research Abstract |
1.肝疾患患者の末梢血における樹状細胞(DC)の数、表面マーカーの解析 肝疾患 42例、健常人12例の計54例の末梢血から単核球を分離し、単核球はFL1:抗CD3、CD14、CD16、CD19、CD20、CD56のcocktail、FL2:抗CD11cあるいはCD123、FL3:抗HLA-DR、FL4:抗CD40あるいはCD86の各抗体を用いて染色しFACS Caliburにて4色解析した。なお、FL1陰性で、かつHLA-DR陽性の細胞群をDC-rich分画とし、CD11c^+DCとCD123^+DCに分けて解析した。まず、末梢血単核球におけるCD11c^+DCとCD123^+DCの比率および絶対数の平均は、健常人が肝疾患患者と比べ有意に減少していた。疾患別では、肝疾患が慢性肝炎から肝硬変へと進展するにつれてCD11c^+DCは減少したが、CD123^+DCは増加する傾向がみられた。ただし、肝細胞癌患者ではいずれのDCも減少し、その表面上のCD40あるいはCD86といった共刺激分子の陽性細胞率は有意に低下していた。これらの解析から、DCにはCD11c^+とCD123^+の2つのサブセットがあり、肝疾患の進展にともなって相反した変動を示すことが明らかとなった。現在、DCの培養に用いられているIL-4はCD123^+DCに対してapoptosisを誘導することが報告されているため、今後、CD123^+DCの増殖系の確立とその機能解析が必要であると考えられた。さらに、肝細胞癌患者でのDC数および共刺激分子の発現低下は、全身の抗腫瘍免疫能の低下を反映しているものと考えられた。 2.肝癌細胞と樹状細胞とのハイブリドーマは、いまだに樹立までに至っていない。 3.SCID-huマウスの作製 SCID-huマウスの作成のために、まずSCIDマウスに5x10^6〜2x10^7個の健常人末梢血単核球を腹腔内に移入したが、その生着は5%以下であった。そこで、T、B細胞だけでなくNK細胞機能も欠損しているNOD/SCIDマウスを用いて同様の実験を試みた。末梢血単核球移入2週間後において、マウス末梢血に29.4%のCD3^+ヒトT細胞を認めた。現在、CD34^+細胞とサイトカインを用いてさらに改良中である。
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