2000 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌・肝癌に対するアンチセンス療法の開発:腫瘍選択性の向上
Project/Area Number |
11670489
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
青木 雄次 信州大学, 医学部, 助手 (50240792)
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Keywords | 膵癌 / 肝癌 / アンチセンス療法 / ペプチドベクター / RGDモチーフ / 腫瘍指向性 |
Research Abstract |
膵癌・肝癌に対するアンチセンス療法の可能性を追求するため、腫瘍選択性の向上を目指して研究を行った。 これまでに行ってきた研究と文献的に蓄積された知見に基づいて、腫瘍新生血管内皮細胞および腫瘍細胞そのものを標的とし、繰り返しの全身投与を前提としたプラスミドまたはオリゴ核酸の担体としての腫瘍指向性ペプチドベクターCRGDCF(K[H-]KKK)6を考案開発した(腫瘍指向性ペプチドベクターとして科学技術振興事業団より平成12年有用特許出願)。これは、環状のRGDモチーフを結合したヒスチジンを側鎖に有するポリリジンで、腫瘍組織に集合し細胞に取り込まれた後にエンドソームからのプラスミドまたはオリゴ核酸の遊離が促進される機能を想定している。膵癌・肝癌細胞株を用いたルシフェラーゼ発現プラスミドをリポーターとした実験では、その腫瘍指向性ペプチドベクターのそれぞれの要素は、少なくともin vitroにおいて期待どうりに機能した。さらに、膵癌・肝癌細胞を皮下接種した担癌ヌードマウスの尾静脈よりこのペプチドベクター/プラスミド複合体を全身投与し、腫瘍組織と各臓器におけるルシフェラーゼ活性の分布をみた実験で、腫瘍指向性ベクターとしての可能性を示唆する成績が得られた(第3回米国遺伝子治療学会および第9回癌遺伝子治療国際会議において発表)。 仮に、有効な腫瘍指向性ベクターが開発されたとしても、大多数の癌細胞に治療遺伝子を導入することは現実的ではなく、繰り返し投与や治療効果が周囲癌細胞に波及することが望ましい。そこで、アンチセンス療法に加え、この腫瘍指向性ペプチドベクターと新たなRNAinterferenceの概念を利用した進行膵癌・肝癌に対する非ウイルス性遺伝子治療を提案する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Mukawa K,Kawa S,Aoki Y,Zhai Y,Nikaido T.: "Reduced expression of p53 and cytlin A in intraductal mucin-hypersecreting neaplasm of the pancreas compared with usual pancreatic ductal adenocarcinoma"Am J Gastroentelol. 94. 2262-2267 (1999)
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[Publications] Aoki Y,Hosaka S,Tachibana N,Karasawa Y,Kawa S,Kiyosawa K.: "Reassessment of k-1 as mutations at codon 12 by direct PCR and sequencing from tissue microdissestion in human pancreatic adenocarcinomas"Pancreas. 21. 152-157 (2000)
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[Publications] Hosaka S,Kawa S,Aoki Y,Tanaka E,Yoshizawa K,Karasawa Y,Hosaka N.Kiyosawa K,: "Hepatocarcinogenesis inhibition by caffein in ACI rats treated with 2-acetylaminofluorene."Food Chem Toxicol. (in press).
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[Publications] Aoki Y.: "Potential non-vlral gene therapy of pancreatic cancer targeting the ras signalling pathway."Research Advances in Cancer. (in press).