2000 Fiscal Year Annual Research Report
レチノイドによる核内転写因子を介した肝発癌制御の遺伝子機構に関する研究
Project/Area Number |
11670490
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
森脇 久隆 岐阜大学, 医学部, 教授 (50174470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白鳥 義宗 岐阜大学, 医学部, 助手 (20313877)
四童子 好広 県立長崎シーボルト大学, 看護栄養学部, 教授 (00111518)
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Keywords | レチノイド / 肝癌 / 化学予防 / クローン除去 / 核内受容体 / アポトーシス / 分子標的 / インターフェロン |
Research Abstract |
我々はレチノイドによる肝発癌抑制をテーマとして、一貫して研究を進めてきた。その結果、根治療法後の二次肝癌の発生を有意に抑制できることを、さらに肝癌の発生を抑制するのみならず、それにより患者の生命予後をも改善すること今までに明らかにしてきた。その作用機序をさらに明らかにするため、分化誘導とアポトーシス誘導機序の検討を進めている。本年度の重要な成績は、以下の通りである。 1)この非環式レチノイドは、単一の核内受容体にリガンドとして結合するのではなく、かなり広範囲の核内受容体と結合することが明らかとなった。また核内受容体のノックアウト細胞においては分化やアポトーシスの誘導能が低下することより、分化誘導やアポトーシス誘導機序を考える上でも、今後の薬剤デザイン上も重要と考えられた。 2)分化誘導された肝癌細胞では、次第にカスパーゼの活性化が起こり、アポトーシスが認められるようになる。これは他の選択的な核内受容体リガンドによる組み合わせ実験でも再現できることが明らかになった。 3)非環式レチノイドとインターフェロン(IFN)-βを加えることにより相乗的にアポトーシスの誘導を高めることが出来る。この機序のひとつとして非環式レチノイドが、IFN受容体の膜表面への表出を誘導することが明らかになった。 これらの知見は、肝癌細胞内で変化を来した核内受容体分子を標的として、そのリガンドである非環式レチノイドを用いることにより、アポトーシスからすり抜けた癌細胞を再度分化させてアポトーシスに導くという発癌予防の戦略を考えていく上で極めて重要と思われる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Moriwaki H.: "Nutritional pharmacotherapy of chronic liver disease:from support of liver failure to prevention of liver cancer."J Gastroenterol. 35. 13-17 (2000)
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[Publications] Nagaki M.: "Control of cyclin-dependent kinase inhibitors,p21 and p27,and cell cycle progression in rat hepatocytes by extracellular matrix."J Hepatol. 32. 488-496 (2000)
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[Publications] Nagaki M.: "High levels of serum interleukin-10 and tumor necrosis factor a are associated with fatality in fulminant hepatitis."J Infect Dis. 182. 1103-1108 (2000)
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[Publications] Miwa Y.: "Improvement of fuel metabolism by nocturnal energy supplementation in patients with liver cirrhosis."Hepatology Res. 18. 184-189 (2000)
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[Publications] Kato M.: "Both insulin sensitivity and glucose sensitivity are impaired in patients with non-diabetic liver cirrfosis."Hepatology Res. 17. 93-101 (2000)
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[Publications] Moriwaki Hisataka: "Frontiers in Hepatology-Progress in Hepatocellular Carcinoma Treatment"Tokyo,Springer-Verlag. 7 (2000)
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[Publications] Shiratori Yoshimune: "Immunoassays for PIVKA-II"Tokyo,Eisai Co.,LTD. 7 (2000)