1999 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌における腫瘍血管新生メカニズムの解明ーFlt-1の細胞内情報伝達機構を中心としてー
Project/Area Number |
11670498
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 信之 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30273668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 由明 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00294067)
田村 信司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30243223)
河田 純男 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90183285)
木曽 真一 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | 血管新生 / Flt-1 / Grap / SH2蛋白 / 血管内皮細胞 / signal transduction |
Research Abstract |
私共はこれまで、SH2蛋白であるPCL-γ,SHP-2,Grb2,Crk,Nckの他に、分子量27kDaの蛋白がチロシンリン酸化依存性にVEGF受容体-1(Flt-1)に結合することを見出して来た。その後、Flt-1のTyr1213周辺の合成ペプタイドを用いることにより、p27のmicrosequenceを行い、更に、cloningまで行った。その結果、p27はヒトのGrap(Grb2-related adaptor protein)と高いhomologyを示し、マウスのGrapであると考えられた。Grapは本来、hematopoietic cellで発現されており、c-kitのsignal伝達に関与していると考えられている。しかし、私共の研究では、検討した全ての血管内皮細胞においても発現していることが明らかとなり、Flt-1のsignal transductionにも関与していることが推察される。今後、Grapのbiological functionについて検討を進めていく予定である。 一方、Flt-1のbiological functionについて検討をする目的で、wild typeあるいはチロシンリン酸化部位のmutant Flt-1をporcine aortic endothelial cellに発現させた。その結果、Flt-1が血管内皮細胞の増殖およびmigrationのsignalを伝達していることが示された。その際、MAP kinaseやfocal adhesion kinase(FAK)のリン酸化を介していることも明らかとなった。しかし、細胞内signal伝達機構を解明して行くには、発現receptor量が充分でないため、現在、更に高発現細胞を得る目的で、GFPをマーカーにしたコンストラクトを作製中である。
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Research Products
(1 results)