1999 Fiscal Year Annual Research Report
サブトラクション法を用いた脂肪肝発症遺伝子の解析-自然発症脂肪肝マウスを用いて-
Project/Area Number |
11670503
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
倭 英司 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20273667)
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Keywords | 脂肪肝 / サブトラクションクローニング / ポジショナルクローニング |
Research Abstract |
NSYマウスは我々がすでに確立した2型糖尿病モデルマウスで、軽度の肥満を示し、糖尿病発症する。また同時に脂肪肝を時間依存的に高率に発症する。交配実験から遺伝形式は常染色体優性遺伝と考えられる。 本研究では疾患モデルとしてNSYマウス、コントロールとしてC3H/Heマウスを用いて、我々が新規に開発したサブトラクションクローニング法(RSA法)にて脂肪肝に特異的に発現が増加あるいは減少している遺伝子を単離する。第2段階では、マウス発生工学的手法を用い、候補遺伝子の発現を過剰発現あるいは欠損させることにより、マウス個体レベルでの候補遺伝子の脂肪肝発症機序への関わりを検討する。また、第3段階ではC3HマウスとのF2マウスを用いリンケージアナリシスを行なう。 我々はすでに、NSYマウスおよびC3H/Heマウスの肝臓よりRNAを抽出し、cDNAプールを作成し、サブトラクションクローニングを行なっている。我々が確立した方法はcDNAのsizeによるbiasを減少させる目的で制限酵素切断(原方法ではBamHIのみ)を用いるため、この制限酵素の切断配列を持たないものを見逃す可能性があった。そこで、HindIII(6 base cutter)、Sau3AI(4 base cutter)を使用し、検出率を向上させる改良を行なった。現在、改良した方法を用い、遺伝子のサブトラクションクローニングを継続している。また、同時にポジショナルクローニングを行なう目的で、NSYマウスとC3H/Heマウスとの交配実験を行なっている。常染色体優性遺伝であることからF2世代でコロニーをexpansionしてlinkage analysisを行なう予定である。 本研究により生活習慣病の一つである脂肪肝の分子遺伝学的な発生機序が明らかになり、その予防や治療にも寄与するものと考えている。
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