1999 Fiscal Year Annual Research Report
MAdCAM-1遺伝子の発現抑制による新しい炎症性腸疾患治療法の開発
Project/Area Number |
11670518
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
日野田 裕治 山口大学, 医学部, 教授 (10165128)
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Keywords | MAdCAM-1、 / アンチセンス抑制、 / TNBS腸炎、 / 炎症性腸疾患、 / 遺伝子療法 |
Research Abstract |
本年度は以下の知見を得、ほぼ予定どうり研究計画を遂行した。 1)MAdCAM-1mRNAの発現抑制に有効なアンチセンスオリゴヌクレオチド(以下ASと略)を選択するために、培養血管内皮腫瘍細胞b.end3に種々のASを加え、それらのMAdCAM-1 mRNA発現抑制レベルを半定量RT-PCR法にて観察した。その結果、リーダー配列の一部に対するASが最も有効であった。 2)次に、上記ASのin vivoにおける効果について検討した。大腸炎モデルとしてマウスTNBS腸炎を用いた。方法は、1mgのTNBSをday1およびday4に投与し、day7に病理解剖を行って効果を観察した。対照オリゴヌクレオチドとしてASのセンスオリゴヌクレオチド(以下Sと略)を用いた。AS群、S群、PBS群の3群に分け、各々20匹のマウスについて7日間の体重変化と生存率を観察した。その結果、体重、生存率ともにAS群で有意に高い値を示し、本ASのin vivoでの有効性が明らかとなった。炎症巣におけるMAdCAM-1 mRNAの発現レベルを半定量RT-PCR法にて検討したところ、AS群で有意な低下を認めた。浸潤リンパ球の免疫組織染色では、CD4陽性T細胞が優勢であった。また、組織スコアでもAS群で低下傾向を認めた。 以上より、MAdCAM-1のASが大腸炎の治療に応用しうる可能性が示唆され、さらに詳細な検討を加えつつある。
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Research Products
(2 results)