1999 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞由来アルコール性肝線維化因子としてTGF-α遺伝子発現調節機構の解析
Project/Area Number |
11670519
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
加藤 淳二 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20244345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 稔 札幌医科大学, 医学部, 助手 (60291556)
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Keywords | アルコール性肝線維症 / TGF-α / Stellate cell / collagen / HepG2 / ethanol |
Research Abstract |
平成11年度の検討では、以下のことを明らかにした。 1)エタノールによる肝芽種細胞HepG2のTGF-α発現誘導の解析 エタノール代謝能を有するヒト肝芽腫由来HepG2細胞の培養液中に100mMエタノールを添加して7日間培養した後、培養上清を回収するとともに細胞を洗浄・可溶化しRNAを調整し、Western blotおよびNorthern blot解析を行った。培養上清中の蛋白は、10%TCAで沈殿させた後、SDS-PAGE用sample bufferで可溶化した。その結果、エタノール存在下に培養すると、TGF-α蛋白およびmRNAの発現が約3倍増加することが明らかとなった。また、その培養上清中に増加したTGF-αは、ラットから分離した初代stellate cellのproliferationおよびtype I collagen mRNAの発現を増加させることも明らかにした。 2)アルコール性肝障害患者の肝組織におけるTGF-α発現解析 アルコール性肝障害患者からインフォームドコンセントを得た後、肝生検を施行しパラフィン切片を作製し、抗TGF-α抗体を用いて免疫組織染色を行った。対照として、ウイルス性肝疾患患者の肝組織を用いた。その結果、アルコール性肝線維症および肝硬変において、TGF-αの肝細胞における発現が著明に増加していることを確認した。引き続き、TGF-α mRNAおよび遺伝子発現調節におよぼすエタノールの影響を検討している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kato J., et al: "Suppressive effect of ethanol on the expression of hepatic asialoglycoprotein receptors augmented by interleukin-1β,interleukin-6 and tumor necrosis factor-α"Journal of Gastroenterology. 33. 855-859 (1998)
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[Publications] Takayama T., Kato J., et al: "Aberrant crypt foci of the colon as precursors of adenoma and cancer."New England Journal of Medicine. 339. 1277-1284 (1998)