2001 Fiscal Year Annual Research Report
肝炎ウイルス特異的細胞性免疫反応と癌特異的細胞性免疫反応の誘導・樹立とその比較
Project/Area Number |
11670521
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
大野 智義 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (90264712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇田 隆字 東京都神経科学総合研究所, 微生物学免疫学研究部, 主任研究員 (40280789)
溝上 雅史 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (40166038)
上田 龍三 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (20142169)
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Keywords | 細胞障害性Tリンパ球 / 樹状細胞 / サイトカイン |
Research Abstract |
これまで健常者とHCV陽性キャリアーにおけるペプチド特異的CTLの誘導能に差があること、特に肝硬変・肝癌患者で樹状細胞による腫瘍抗原あるいはウイルス抗原特異的細胞障害性Tリンパ球(CTL)誘導能が低下しており、その差異は抗原提示に関与する表面分子の発現の差に基づくのではなく、樹状細胞が分泌するIL-12に対する反応性の差、すなわちIFN-γの産生能の低下によるということを報告してきた(現在投稿中)。一方、ペプチドを用いた免疫療法を考えるときHLAのタイプに関係なくCTLを誘導する方法を開発するため、健常者とHCV陽性キャリアーいずれにおいても樹状細胞の貪食能は変わないことを利用した新たな遺伝子デリバリー法を試みている。即ち、生体に無害なpoly(lactide-co-glycolide)でmicroparticle(PLGA)を作りこれに腫瘍特異抗原を発現するヴェクターを取り込ませた。新たな遺伝子デリバリー法の有効性を検討するため、最初にルシフェラーゼ蛋白を産生するヴェクターを包埋し、ルシフェラーゼ活性をみることにより有用性を確認した。次に実際に用いるHCVcore/E1(脇田らにより供与)、CEA, MAGE2, MAGE3, HER2(理科研より購入)を発現するプラスミドを構築し、PLGAに包埋した。これを樹状細胞に貧食させ、これら蛋白を発現するかWesten boltting法により確認したのち、実際に末梢血(Responder cell)と反応させIFNγが産生されるかを確認した。このことは樹状細胞により抗原提示されていることが強く示唆され、実際にCTLを誘導できるか検討中である。さらに効率よくCTLを誘導できるようにPLGAにGeranylgeranylacetohを添加したり、IFN-γやIFN-αを包埋せることを計画中である。
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