2000 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞-アセトアルデヒドアダクト融合体による重症型アルコール性肝炎モデルの作成
Project/Area Number |
11670538
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
山内 眞義 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (20138811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 貴博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60256336)
斉藤 三郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10186934)
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Keywords | 重症型アルコール性肝炎 / アセトアルデヒドアダクト / 樹状細胞 / アルコール性肝障害 |
Research Abstract |
(1)マウスアルブミン・アセトアルデヒドアダクト(AA)およびマウスアルブミンにて免役したB6マウスに、慢性アルコール投与を行い、アダクトに対する細胞性免疫が成立するか、またこの免疫反応を介したアルコール性肝障害が惹起されるか否か検討した。各マウス6〜8匹を以下の6群に分類して、実験を行った。1群:全く免役せずに慢性アルコール投与、2群:アルブミン免疫を行い、アルコール投与せず、3群:AAで免役し、アルコール投与せず、4群:アルブミン免疫を行い、慢性アルコール投与、5群:AAで免役し、慢性アルコール投与、6群:免役せず、アルコールも投与せず、の6群である。マウスのリンパ節よりリンパ球を採取し、4x10^6cells/mlに調整して、200μlづつmicroplateに入れ、0、12.5、50、200μgのAAまたはマウスアルブミンで刺激し、37℃、5%のCO_2の条件下で48時間培養した。これらの細胞を^3H-Thymidineの取り込みによりStimulation Index (SI)を算出し、免疫応答を検討した。各群におけるAA200μgで刺激したSIは1群:0.861、2群:1.096、3群:4.774、4群:0.967、5群:21.846、6群:0.866であり、AAで免疫し、慢性アルコール投与を行った群で最も高値を示した。AA抗体を用い、それぞれの群の肝組織像を検討したところ、いずれのアルコール投与群でもAA抗体の増加が確認され、脂肪化は認められるものの、壊死・炎症性細胞浸潤は引き起こさなかった。 (2)樹状細胞-マウスアルブミン・アセトアルデヒドアダクト(AA)融合体または樹状細胞-マウスアルブミン融合体により免疫し、同時にエタノールまたは等カロリーのグルコースを4週間投与したところ、樹状細胞-AA融合体で免疫し、エタノールを投与した群における血清AST、ALT値は高値を示した。肝組織像、アダクトに対する細胞性免疫反応については、平成13年度に検討する。
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