2001 Fiscal Year Annual Research Report
Smad6トランスジェーニックマウス作製による膵線維化抑制の機序解明
Project/Area Number |
11670553
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health |
Principal Investigator |
中村 早人 産業医科大学, 医学部, 助教授 (90207902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木原 康之 産業医科大学, 医学部, 助手 (80279330)
大槻 眞 産業医科大学, 医学部, 教授 (00030916)
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Keywords | Smad6 / トランスジェーニック / TGF-β |
Research Abstract |
3カ年計画の3年目にあたる平成13年度では、実際にSmad6トランスジェニックマウスを作製した。平成12年度までに作製した膵臓にSmad6を過剰発現させるためラットエラスターゼIのプロモーター領域および転写効率をあげるためのβグロビンイントロン領域、Smad6の全域をコードするcDNA領域、翻訳効率をあげるためにsmad6のあとにポリ(A)領域を結合させたベクターを完成させた。受精卵413個の対してマイクロインジェクションを行い、292個を仮親に移植し、28匹の産子が得られ、そのうち25匹が離乳まで至った。しかし、テールから抽出したDNAをもちいてPCRを行ったところ、すべてのマウスで挿入したSmad6のDNAを見い出せなかった。原因としては注入したDNAの精製が不良であることやプロモーターの不具合によること、Smad6が致死的に働くことなどの可能性が考えられた。原因は不明であったが、注入DNAの精製純度をあげて2度目のTgにトライした。213個に対して注入を行い、201個の移植胚が得られ、最終的に59匹の産子が得られた。さらにPCRにて5匹のトランスジェニックマウスを確認できた。5系統のF0から合計149匹のF1が得られ、PCRにて5匹のマウスにSmad6ベクターの伝達が認められた。順調にF1からF2,F3のマウスも得られた。抗Smad6抗体をもちいた免疫組織学的検討では、予想通りに膵腺房細胞に過剰発現がみられた。抗Smad2抗体をもちいた免疫組織学的検討では、抗Smad6抗体の場合と同様に腺房細胞に過剰発現がみられ、Smad6の過剰発現によりTGF-βのシグナル伝達が阻害されて代償的にSmad2の過剰発現がみられていることが判明した。
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[Publications] Y.Kihara et al.: "Role of TGF-β1, etracellular matrix, and matrix metalloproteinase in the healing process of the pancreas after induction of acute necrotizing pancreatitis using arginine in rats"Pancreas. 23. 288-295 (2001)