1999 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌に対するアデノウイルスベクターを用いたFHIT遺伝子導入の研究
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11670594
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
児島 章 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60256378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 昌史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20236912)
吉村 邦彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60246452)
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Keywords | 肺癌 / FHIT遺伝子 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
平成11年度は、まず,FHIT遺伝子発現アデノウイルスベクター(AdCMV.FHIT)を作成した.すなわち,FHIT遺伝子のcDNAをアデノウイルス発現プラスミドpCMV.SV2+のmultiple cloning siteにサブクローニングした後,アデノウイルスtype5のゲノムを有するpJM17と共に293細胞にco-transfectした.AdCMV.FHITは単プラークより単離し,2回の塩化セシウム匂配内での超遠心で精製した後透析し,高純度のベクターを得た.次に,AdCMV.FHITのmRNAレベルでの機能を評価した.すなわち,FHIT遺伝子の異常が指摘されているヒト非小細胞肺癌株A549に0,10,20,50moiのAdCMV,FHITを感染させ,48時間培養後感染細胞から総RNAを抽出し,Northernブロッティング法により検討した.その結果,ベクターの容量依存性にFHITの発現が増強された.さらに,AdCMV.FHITのA549細胞の増殖に対する影響をin vitroで検討した.その結果,AdCMV.FHITの容量依存性にA549細胞の増殖抑制効果を認めた(p<0.05).以上よりFHIT遺伝子導入は新たな肺癌遺伝子治療の一つとなりうると考えられた.現在in vitroでの実験結果を踏まえ,ヌードマウス皮下腫瘍モデルを用いてin vivoでの抗腫瘍効果を検討中である.
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