2000 Fiscal Year Annual Research Report
家族性筋萎縮性側索硬化症の変異SOD1遺伝子導入による細胞障害の発生機
Project/Area Number |
11670607
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
加藤 丈夫 山形大学, 医学部, 教授 (90194828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 薫 山形大学, 医学部, 教授 (30234975)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / SOD1 / 点変異 / 封入体 / ニューロフィラメント |
Research Abstract |
1. 正常ヒト白血球から野生型SOD1遺伝子を抽出、サブクローニング後、Kunkel法にて4 種の点変異(Gly37Arg,Gly85Arg,Gly93Ala,およびSer134Asn)を導入した。そして、正確に点変異が導入されていることを塩基配列を決定し確認した。 2. 神経疾患を認めない症例の剖検脳からニューロフィラメントL遺伝子を抽出、サブクローニングした。 3. 野生型SOD1遺伝子,変異SOD1遺伝子,およびニューロフィラメントL遺伝子をpcDNA3ベクターに導入し、各々、DEAE-dextran法にてCOS7細胞にtransfectionし、細胞内に蛋白を発現させた。Transfectionされた細胞をWestern blotにて解析し、蛋白質として発現されていることを確認した。 4. 野生型SOD1遺伝子導入細胞および変異SOD1遺伝子導入細胞の間で光顕上、形態学的差異はみとめられなかった。 5. そこで、ベクターをpcDNA3からpEF-BOSに変えて同様の実験を行ったところ、野生型SOD1遺伝子導入細胞では野生型SOD1蛋白は細胞質内に均質に発現・分布したが、変異SOD1遺伝子導入細胞では変異SOD1蛋白は粗大な細胞質内封入体を形成した。 6. ニューロフィラメントL遺伝子をco-transfectionさせたところ、野生型SOD1遺伝子導入細胞では野生型SOD1蛋白もニューロフィラメントL蛋白も細胞質内に均質に発現・分布した。しかし、変異SOD1遺伝子導入細胞では変異SOD1蛋白のみならず、ニューロフィラメントL蛋白も封入体を形成した。
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