1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11670626
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
山口 修平 島根医科大学, 医学部, 助教授 (80135904)
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Keywords | 前頭前野 / 注意の移動 / 事象関連電位 / 空間周波数 / NOGO電位 / 機能的MRI / CPT / 作業記憶 |
Research Abstract |
前頭葉機能の関与を反映する可能性のある認知関連電位を明らかにする目的で、本年度は健常成人を対象に2つのパラダイムで事象関連電位を測定した。一つは視覚注意の制御に注目して、全体対象と部分対象に注意を向ける際の脳電位変化を見た。測定には128チャンネルの高解像度記録を用い、現実モデルを用いた非線形アルゴリズムにより、各個人のMRI画像上での電位源の推定をおこなった。先行研究で、視空間注意の移動の際には注意の方向と反対半球の前頭葉の活動が認められることを明らかにしたが、今回の空間周波数に対する注意の指向においては前頭葉はあまり関与せず、大脳後半部特に側頭頭頂部に神経活動が見られた。そこでこの部位が空間周波数への注意の随意的指向を制御している部位と結論づけた。さらに興味深いのは、全体情報への注意は右半球、部分情報への注意は左半球が担っている事も明らかとなり、これまでの病巣研究との結果とも一致していた。 従って、上記のパラダイムは前頭葉機能の検討には不適であることから、引き続き別のパラダイムを用いた研究を遂行した。一般にcontinuous performing test(CPT)として知られるパラダイムを修正し、GO/NOGO課題の要素と作業記憶をあわせ評価できる課題を作成した(AX-CPT)。GO/NOGO比を3:1とした時、明瞭なNOGO-P3電位が中心部から前頭部にかけて出現した。現在その詳細な電位源推定を行っている所である。 最後に事象関連電位の測定と共に、前頭葉機能を反映するとされる認知課題(語想起、仮名拾いテスト、ハノイの塔、計算)を行っている際の機能的MRIの測定を行った。それぞれの課題で予測通り前頭前野の賦活が認められ、今後、事象関連電位を併用した検討を行う予定である。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Yamaguchi S.et al: "Cerebral asymmetry of the 'top-down'allocation to global and local features"Journal of Neuroscience. (in press).
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[Publications] Yamaguchi S.et al: "Event-related brain potentials in response to novel sounds in dementia"Clinical Neurophysiology. 111. 195-203 (2000)
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[Publications] Yamagata S.et al: "Event-related potential study of repetition priming to attended and unattended words"Cognitive Brain Research. (in press).
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[Publications] Tsuchiya H.et al: "Impaired novelty detection and frontal lobe function in Parkinson's disease"Neuropsychologia. 38. 645-654 (2000)
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[Publications] Xu J.et al: "Gender effects on aga-related changes in brain structure"Americal Journal of Neuroradiology. 21. 112-118 (2000)
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[Publications] Yamaguchi S.: "Perfrontal cortex contributions to automatic and controlled attention"Functional Neuroscience:Evoked Potentials Magnetic Fields. 49. 184-188 (1999)
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[Publications] 土谷治久ら: "MRI小脳面積と認知機能(P3a)"Clinical Neuroscience. 18. 210-212 (2000)
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[Publications] 山口修平: "事象関連電位による選択的視覚注意機構の解析"認知神経科学. 1. 46-51 (1999)
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[Publications] 山形真吾ら: "高解像度脳波記録による標的P3および新奇刺激P3お時間的空間的分布の検討"認知神経科学. 1. 95-96 (1999)
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[Publications] 山口修平ら: "アルツハイマー型痴呆と能血管性痴呆の事象関連電位 -電位源推定による解析-"Therapeutic Research. 20. 51-55 (1999)
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[Publications] 山口修平: "選択的注意と事象関連電位(I)"臨床脳波. 41. 448-452 (1999)
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[Publications] 山口修平: "選択的注意と事象関連電位(II)"臨床脳波. 41. 524-529 (1999)