2000 Fiscal Year Annual Research Report
遠位型ミオパチーの発症機構における筋ライソゾーム機能の研究
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11670632
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Research Institution | Oita Medical University |
Principal Investigator |
熊本 俊秀 大分医科大学, 医学部, 助教授 (40134936)
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Keywords | 遠位型ミオパチー / rimmed vacuoles / autophagic vacuoles / lysosome / clathrin / adaptin / mannose-6-phosphate receptor / muscle |
Research Abstract |
ヒト遠位型ミオパチー(distal myopathy with rimmed vacuoles;DMRV)骨格筋線維内に特異的にみられるrimmed vacuoles(RV)がlysosome由来のものであることから、DMRV筋におけるendosome/lysosome形成とその調節に関連する蛋白及びその遺伝子の異常を明らかにすることを目的として研究を行った。 昨年度はDMRV筋における各種lysosome関連蛋白の動態を蛋白レベルでの検討をした(Kumamoto T,et al.,2000)。今年度はDMRV筋におけるこれらの蛋白のmRNA levelの検討する前に、基礎的知見を得るため、まず本症の疾患モデルであるラットのchloroquine(CQ)-myopathyのヒラメ筋について研究を行った。予め脱神経処理(DN)したラットにCQを連日投与し(CQ+DN筋)、4日目からRV様のautophagic vacuoles(AV)を認めた。AVは8日目で最も著明であったが、DNやCQ筋にはみられない。Clathrinは2日目よりDN筋、CQ+DN筋で著明に上昇し、4日目をピークに8日目でやや+減少傾向を示した。Northern blotではclathrin,adaptin,mannose-6-phosphate receptorのmRNAは共にCQ筋で上昇はみられないが、DN筋、CQ+DN筋では2日目より上昇傾向を示し、CQ+DN筋でより高値を示した。しかし、8日目にはadaptin,clathrinのmRNAは正常近くまで減少した。DN筋では2日目以降も上昇したままで、8日目での減少は認めなかった。すなわちCQ+DN筋ではAVの形成亢進と共にTrans-Golgi networkを介したearly endosome形成の亢進が認められ、また、早期からclathrin及びadaptin mRNA levelは増加するが、AVが最もみられるときに減少し、AVの形成後のautolysosomeのturnoverの遅延が示唆された。
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[Publications] Kumamoto T,Ito T,Horinouchi H,Ueyama H,Toyoshima I,Tsuda T.: "Increased lysosomal-related proteins in the skeletal muscles of distal myopathy with rimmed vacuoles"Muscle Nerve. 23(11). 1686-1693 (2000)