1999 Fiscal Year Annual Research Report
視覚・聴覚律動刺激による神経変性疾患患者の認知情報処理速度に与える影響
Project/Area Number |
11670633
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
黒岩 義之 横浜市立大学, 医学部, 教授 (40135249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 ゆめ 横浜市立大学, 医学部, 講師 (70236024)
山田 人志 横浜市立大学, 医学部, 講師 (70240033)
長谷川 修 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (30237961)
高橋 竜哉 横浜市立大学, 医学部, 助手 (40236295)
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Keywords | パーキンソン病 / 多系統萎縮症 / 進行性核上性麻痺 / 大脳皮質基底核変性症 / 視覚性事象関連電位 / 脳MRI / 局所脳血流量 / 小脳 |
Research Abstract |
パーキンソン病(PD)、多系統萎縮症(MSA)、進行性核上性麻痺(PSP)大脳皮質基底核変性症(CBD)について、視覚性事象関連電位、脳MRIの定量的測定、局所脳血流量(r-CBF)の定量的測定を施行した。その結果、次の結果が明らかにされた。 〔視覚性事象関連電位の異常〕- PDではS1-S2課題でのP300潜時と反応時間が、罹病期間5年以上の群で延長した。MSAではoddball課題、S1-S2課題いずれでもP300潜時と反応時間が延長した。PSPではoddball課題、S1-S2課題いずれでもP300振幅の低下と反応時間の延長を認めた。CBDではoddball課題、S1-S2課題いずれでもP300潜時と反応時間の延長を認めた。 〔視覚性事象関連電位と脳MRI断面積の定量的測定値の相関〕 MSAではoddball課題、S1-S2課題いずれでもP300潜時と橋・小脳面積との間に有意な相関が認められた。P300潜時で評価される認知機能には橋・小脳系の紳経機構が関与している可能性が示唆された。 〔視覚性事象関連電位と局所脳血流量(r-CBF)の定量的測定の相関〕 罹病期間5年以上の群(L群)と罹病期間5年未満の群(S群)に分けて局所脳血流量(r-CBF)の定量的測定を施行した。両側前頭葉、両側側頭葉、右頭頂葉のr-CBFがL群で有意に低下していた。S1-S2課題でのP300潜時は右前頭葉、両側側頭葉のr-CBFと有意な負の相関を認めた。反応時間は両側前頭葉、両側側頭葉、右頭頂葉、両側後頭葉のr-CBFと有意な負の相関を認めた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 黒岩義之,王麗紅: "Visual event-related potential changes at two different tasks in nondemented Parkinson's disease"Journal of the Neurological Sciences. 164. 139-147 (1999)
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[Publications] 黒岩義之,王麗紅: "Effect of interstimulus interval on visual P300 in Parkinson's disease"J Neurol Neurosurg Psychiatry. 67. 497-503 (1999)
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[Publications] 黒岩義之,王麗紅: "The correlation between P300 alterations and regional cerebral blood flow in non-demented Parkinson's disease"Neuroscience Letters. (印刷中). 1-4 (2000)
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[Publications] 黒岩義之: "脳波,体性感覚誘発電位,事象関連電位の臨床的価値"Clinical Neuroscience. 17. 1367-1369 (1999)
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[Publications] 黒岩義之: "パーキンソン病ではオドボール課題に対する評価時間,反応時間がISIの影響を受ける"Progress in Medicine. 19・11. 2668-2671 (1999)
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[Publications] 王麗紅,黒岩義之: "パーキンソン病におけるP300と運動障害,自律神経障害"臨床脳波. 41・4. 216-221 (1999)