2000 Fiscal Year Annual Research Report
家族性パーキンソン病の原因遺伝子parkinの機能解析
Project/Area Number |
11670642
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Research Institution | JUNTENDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松峯 宏人 順天堂大学, 医学部, 助手 (90255670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 良輔 東京都神経科学総合研究所, 主任研究員 (90216771)
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Keywords | parkin / パーキンソン病 / アポトーシス / 293細胞 / 神経細胞死 |
Research Abstract |
Parkin蛋白異常によって、封入体を形成しない神経細胞死がおこる。このような細胞死はSMNおよびNAIPの蛋白異常によっても起こり、これらの蛋白が非神経系培養細胞においてapoptosisを抑制することが報告されている。この事実に基ずき、parkinがこのような細胞非特異的で普遍的なapoptosis抑制蛋白である可能性を、293細胞を使って検討した。 1)parkinの過剰発現は293細胞においてFas,Baxによるapoptosisを抑制しなかった。 2)parkinの過剰発現は、proteasome inhibitionによるapoptosisを抑制しなかった。293細胞においてはproteasome inhibitionは、jnkの活性化を介してbaxを活性化するので、1)の結果をあわせると、jnk活性化によるbaxの活性化をparkinは抑制しないことがわかった。 3)ethopoxide,menadione負荷,serum deprivationによるapoptosisも同様に抑制しなかった。 4)In vitroにおいて,活性型caspase(1,2,3,6,7,8)がparkinを分解することはなかった。 5)Alpha-Synuclein,SOD1,Bcl-2,XIAP,CIAP-1,2,NAIP,HSP70のparkinに対する会合は、immunoprecipitation実験あるいはyeast two-hybrid実験により否定された。 以上より、parkinは、bcl-2,XIAPやNAIPのような、組織非特異的で、普遍的なapoptosis抑制蛋白ではないことが示された。今後は、神経系由来の培養細胞を使ったapoptosisi抑制試験による検討と、apoptosis以外の細胞死径路を反映するassay systemを開発することが重要である。
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