1999 Fiscal Year Annual Research Report
肢帯型筋ジストロフィーにおけるジストログリカン複合体の脆弱性に関する研究
Project/Area Number |
11670644
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
小林 道子 帝京大学, 医学部, 助手 (00312009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 広樹 帝京大学, 医学部, 助手 (90260926)
松村 喜一郎 帝京大学, 医学部, 助教授 (50260922)
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Keywords | 肢帯型筋ジストロフィー / sarcoglycan複合体 / dystroglycan複合体 / laminin / 骨格筋細胞 |
Research Abstract |
肢帯型筋ジストロフィーの1群であるサルコグリカン欠損症においては筋細胞膜でサルコグリカン複合体がまとまって欠損する.我々はサルコグリカン欠損症では筋細胞膜におけるサルコグリカン複合体が欠損する結果,これと相互作用するジストログリカン複合体の分子構築に異常を来し,これが筋細胞変性を引き起こすのではないかと考え研究を始めた.本年度はまず融合蛋白を用いた分子生物学的,生化学的解析を行った.またサルコグリカン欠損症における筋細胞のモデルとしてもともとサルコグリカン複合体を欠損する非筋細胞におけるジストログリカン複合体の分子構築を生化学的に解析した.β-ジストログリカンとジストログリフィンならびにそのホモローグの融合蛋白を作製,両者の結合をブロットオーバーレイ法で検討した.β-ジストログリカンはジストロフィンならびにそのホモローグと結合しその結合部位は膜貫通部位の近位部と遠位部の2ヶ所あった.非筋細胞抽出液を用い,β-ジストログリカンで免疫沈降実験を行った結果,ごく少量のα-ジストログリカンがβ-ジストログリカンと共沈したが,ジストロフィンならびにそのホモローグ,またラミニンは沈降しなかった.これらのことは非筋細胞においてジストログリカン複合体はジストロフィンならびにそのホモローグにより裏打ちされているが,非筋細胞のジストログリカン複合体は骨格筋のジストログリカン複合体に比べて脆弱であることを示唆した.現在この原因をさらに追求している.
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[Publications] Saito F et al.: "Characterization of the transmembrane molecular architecture of the dystroglycan complex in Schwann cells"Journal of Biophysical Chemistry. 274. 8240-8246 (1999)
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[Publications] Shimoji Y et al,: "A21-kDa surface protein of mycobacterium leprae binds peripheral nerve laminin-2 and mediates Schwann cell invasion"Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.. 96. 9857-9862 (1999)
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[Publications] Matsumura K et al,: "Sarcoglycan complex:a muscular supporter of dystroglycan-dystrophin interplay?"Cellular and Molecular Biology. 45. 751-762 (1999)