1999 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病の病態形成における肝細胞増殖因子の役割
Project/Area Number |
11670650
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
山田 達夫 福岡大学, 医学部, 教授 (60159217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 三津雄 福岡大学, 医学部, 講師 (70299543)
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Keywords | 肝細胞増殖因子 / アストロサイト / ELISA / アルツハイマー病 |
Research Abstract |
アルツハイマー病について我々のこれまでの研究から、アルツハイマー病ではHepatocytegr owth factor(HGF),HGF activator(HGFA)およびGel atinase Aの染色性が強く、これらの分子はアルツハイマー病脳内に高濃度存在する可能性が示唆された。以上の研究結果の蓄積をふまえ、今年度の研究では(1)HGF AのinhibitorであるHAIの正確な局在と発現細胞を知り、(2)高感度のELISAの系を確立し、脳脊髄液中のHGF濃度の測定を試み、アルツハイマー病の診断に寄与しうるか否か検討した。 その結果免疫組織化学による検討から、HAI-2というinhibitorの分子種は能のすべての部位のアストロサイトに局在することがわかった。Western blottによっても用いた抗体の特異性は確認された。これはHGF,HGFAが白質のアストロサイトに局在する点で異なっていた。しかしその理由は尚不明である。 in situ hybridization法でもHAI-2のアストロサイトでの発現を確認している。これはDNA-PCR probeによって解析し、その後免疫組織を組み合わせて細胞の同定を行ったものである。 高感度ELISA法はほぼ確立され、脳脊髄液中の測定が進行している。希釈試験や回収試験でも満足すべき結果が得られている。現在informed consentにより、患者からの脳脊髄液の採取が行われている。知的レベル、罹病期間、MRI所見などとの関連と他の神経疾患との間でHGF値の相違を検討していく予定である。
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