2001 Fiscal Year Annual Research Report
歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)蛋白の発症への関与
Project/Area Number |
11670652
|
Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Research |
Principal Investigator |
矢澤 生 財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員 (20312217)
|
Keywords | DRPLA / DRPLA蛋白 / 歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症 / ユビキチン / 抗DRPLA蛋白抗体 / DRPLA蛋白複合体 / DRPLA遺伝子産物 / ポリグルタミン |
Research Abstract |
DRPLAは常染色体優性遺伝の神経変性疾患で、原因遺伝子のCAGの3塩基の繰り返し配列(CAG repeat)が異常に伸張するポリグルタミン病のひとつである。我々はDRPLA遺伝子産物(DRPLA蛋白)をヒト脳組織において同定し、DRPLA蛋白が脳神経細胞で集合して存在することを示した。本研究ではDRPLA蛋白の集合性に着目し、DRPLA蛋白を複合体として検討した。昨年までに我々はDRPLA患者脳組織のDRPLA蛋白は高分子蛋白複合体に多く取り込まれることを報告した。また、DRPLA脳組織を非還元条件で電気泳動後、イムノブロットを抗ユビキチン抗体で染色すると、高分子DRPLA蛋白複合体は抗ユビキチン抗体と免疫反応を認めた。免疫反応はDRPLA脳組織中で神経変性が著しい部位で強い高分子複合体の病的ユビキチン化の傾向を認めた。さらに、コントロール、DRPLA脳組織を非加熱の状態で電気泳動し、イムノブロットでDRPLA蛋白複合体を検討すると、DRPLA脳組織だけではなく、コントロール脳組織でも高分子複合体のユビキチン化を認めた。一方、検体を加熱条件で電気泳動しイムノブロットを検討すると、ユビキチン化された高分子蛋白複合体はDRPLA脳組織に特異的に認め、コントロール脳組織には存在しない強いユビキチンの結合を示した。次に、DRPLA、コントロール脳組織を非還元条件で電気泳動後、高分子蛋白のバンドを切り出して、切り出したバンドを還元処理して2回目電気泳動しイムノブロットを抗DRPLA蛋白抗体で染色した。DRPLA脳組織のイムノブロットだけに、還元型DRPLA蛋白の2つのバンドを認めた。以上の結果より、DRPLA脳組織特異的に高分子蛋白の中にDRPLA蛋白が多く含まれ、DRPLA脳組織ではDRPLA蛋白の蛋白間相互作用が起こりやすいことを示した。
|