2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11670658
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Research Institution | YAMAGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
片野 由美 山形大学, 医学部, 教授 (70018696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石幡 明 山形大学, 医学部, 助手 (40232326)
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Keywords | 血管内皮細胞 / プロスタサイクリン(PGI_2) / -酸化窒素(NO) / 加齢変化 / PGI_2合成酵素 / PGI_2受容体 / COX-1 / Fischer 344 rat |
Research Abstract |
【目的】冠血管がエンドセリン(ET-1)やアンジオテンシンII(AngII)のような強力な血管収縮物質に曝されたとき、主として血管内皮細胞から血管拡張因子が産生・遊離され防御的に働くが、加齢に伴いこの機能が低下すること、その結果強力な冠血管収縮作用が惹起され、これが心疾患の発症や進展につながるのではないかと推測し、主として血管内皮細胞から遊離される防御因子を検索してきた.その結果、NOの産生遊離機能が特異的に低下していること、一方プロスタサイクリン(PGI2)の産生遊離機能は加齢によってむしろ増加していることを明らかにした.そこで本年度は、特にPGI2の産生遊離機能増加の機序および意義に注目し、PGI2産生に関わる合成酵素および受容体発現と加齢変化の面から検討した.【方法】3(若齢)と27カ月齢(老齢)のFisher 344 rat(♂)の摘出心臓および胸部大動脈を用いた.心臓はLangendorff式に定圧灌流し、ET-1、AngII投与前後の冠血流量変化を記録した.冠流出液を分取し、PGI2を6-keto-PGF1 αに対する酵素免疫法により測定した.また、大動脈よりRNAを抽出しリアルタイムPCRを行うことにより、PGI2受容体、PGI2合成酵素およびCOX-1の老化による変動を定量した.【結果および考察】 灌流心臓をET-1、AngIIによって刺激し、冠血管を収縮させた場合、老齢ラット冠灌流液中への6-keto-PGF1 α遊離量は、若齢ラットよりも増加した.PGI2合成酵素の発現は、老齢ラット大動脈において有意に増加した.COX-1も同様に老齢ラットにおいて増加した.一方、PGI2受容体発現には、老化によりやや減少する傾向があったものの有意差は認められなかった.以上の結果から、老化に伴うPGI2合成酵素およびCOX-1発現の増加が、老齢ラットでのPGI2産生増加に関与することが示唆された.NO産生遊離機能低下の代償としてPGI2産生が増加するものと考えられる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] IshihaTa A: "Differential modulation of nitric oxide and prostacyclin release in senescent rat heart stimulated by angiotensin II."Europear J.Pharmacal.. 382. 19-26 (1999)
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[Publications] Katano Y: "Age-related changes in the expression of AT_1 receptor in the rat mvocardium and aortic vascular smooth muscle."J.Mol.Cell Cardiol.. 31. 184 (1999)
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[Publications] 片野由美: "アンジオテンシンIIが惹起する冠血管収縮作用に対する内因性プロスタサイクリンとNOの役割-老化モデル動物における検討-"心筋の構造と代謝. 22. 495-502 (1999)
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[Publications] Katano Y: "Vasodilator effect of urotensin II, one of the most vasoconstriting factors, on rat coronary arteries."Europ.S.Pharomacal. 402. 4-7 (2000)
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[Publications] Ishihata A: "Role of nitric oxide and cyclooxygenase products in vascular effect os human urotensin II in the perfused rat heart."Frce Radical Biol.Med.. 29. 70 (2000)
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[Publications] 片野由美: "ラット灌流心臓標本におけるUrotensin II の作用"心筋の構造と代謝. 23(印刷中). (2000)