2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11670660
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Research Institution | GUNMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中村 哲也 群馬大学, 医学部, 講師 (10272238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 良三 東京大学, 循環器内科・教授 (60207975)
倉林 正彦 群馬大学, 医学部, 助教授 (00215047)
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Keywords | Klotho / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
老化現象と全身の血管の動脈硬化を示すklothoマウスの表現型はklotho遺伝子の異常に起因している。我々はklothoマウスの大動脈と骨格筋細動脈で内皮細胞機能異常が存在し、この内皮細胞機能異常が一酸化窒素(NO)産生低下であることを明らかにした。 血管内皮細胞増殖因子(VEGF)は、血管内皮細胞に作用し一酸化窒素合成酵素(NO合成酵素)の発現を上昇させる。そこで、klothoマウスの大動脈を抗NO合成酵素抗体、抗VEGF抗体で免疫染色した。klothoマウスの大動脈内皮細胞のNO合成酵素は、免疫組織染色でその発現が低下していた。また、klothoマウスホモ型で、VEGFの発現低下も観察された。klotho遺伝子が、VEGFに作用してNO合成酵素発現に関与していることが示唆された。 高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満を合併するOLETF(Otsuka Long-Evans Tokushima fatty)ラットにおいて血管内皮機能低下と腎臓でのklotho mRNA発現の低下が存在することを明らかにした。OLETFラットにアンジオテンシンII受容体拮抗薬カンデサルタン(5mg/kg/日)を4週間経口投与し、アセチルコリンによる大動脈内皮依存性血管弛緩反応、腎臓のklotho mRNA発現、尿中NO代謝物排泄を検討した。カンデサルタンは内皮依存性血管弛緩反応とNO産生を改善させ、腎臓におけるklotho mRNA発現を増加させた。高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満の重積した病態において、アンジオテンシンII受容体拮抗薬は血管内皮機能とKlotho遺伝子の発現を改善し、動脈硬化を予防する可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Saito,Y: "In Vivo klotho gene delivery protects against endothelial dysfunction in multiple risk factor syndrome"Biochem Biophys Res Commun. 276. 767-772 (2000)
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[Publications] Nagai,R: "Endothelial dysfunction in the klotho mouse and down regulation of klotho gene expression in various animal models of vascular and metabolic diseases"Cell Mol Life Sci. 57. 738-746 (2000)