1999 Fiscal Year Annual Research Report
筋線維芽細胞のアポトーシスのブロックによる梗塞後心室リモデリングと心不全の予防
Project/Area Number |
11670668
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
竹村 元三 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (40283311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 久義 岐阜大学, 医学部, 教授 (80115930)
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Keywords | アポトーシス / 心筋梗塞 / 心室リモデリング / 心不全 / 筋線維芽細胞 |
Research Abstract |
1)動物モデルの選択:当初、ラット心の左冠動脈永久結紮による心筋梗塞を作製していたが、再灌流モデルの方が投与薬剤の梗塞心筋への移行が良好であることを考慮し、60分左冠動脈結紮+解除にて再潅流による梗塞モデルを選択した。このモデルでも永久結紮と同様、左室自由壁の60%以上を占める大梗塞ができるため、梗塞後心不全モデルとして使用しうる。 2)薬剤の選択、投与量、投与期間:多くのプレリミナリースタディの結果、pancaspace阻害剤であるBoc-Asp-FMKを選択した。投与量・期間は1日1回10μg/mlを梗塞作製3日後から4週後まで連日腹腔内投与とした。 3)現在までの成績ならびに今後の予定:上記プロトコールにより薬剤を投与した場合、作製2週後の心筋梗塞巣においてDNA断片化を呈する(TUNEL陽性)肉芽細胞数が有意に減少した。また4週後においては投与群の梗塞巣で心筋間質細胞数の増大がみられた。これは間質細胞のアポトーシス阻害による残存の影響と思われる。すなわち、肉芽組織に多く見られる筋線維芽細胞ならびに新生血管細胞が多く残存していた。したがって、Boc-Asp-FMKの上記プロトコールによる投与は梗塞後増殖した心筋間質細胞のアポトーシスを阻害するという仮説が立証された。今後は本モデルでの実験動物数を増やし遠隔成績を観察し、心不全の改善の有無をみてゆく予定である。
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