1999 Fiscal Year Annual Research Report
心筋梗塞での細胞外マトリックスの合成および分解の制御機構の解明
Project/Area Number |
11670691
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
畑 知二 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (90198739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 健一 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (60230281)
牧野 直樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (60157170)
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Keywords | 心筋梗塞 / 細胞外マトリックス / コラーゲン / メタロプロテアーゼ / 心筋線維化 |
Research Abstract |
心筋梗塞(MI)では梗塞部心筋の線維化と非梗塞部の肥大が知られている。しかし、本病態における細胞外matrix成分のリモデリング過程は不明である。本研究では梗塞心筋と非梗塞部のMMP活性とTissue inhibitors(TIMP)活性について検討した。雄性Wistarラットの左冠動脈を結紮しMIを作成し、結紮後1、2、7、14、28日後に心臓を摘出し梗塞部(IF,n=8)と非梗塞部位(NIF,n=8)に分けた。両群の組織中のhydroxyprolone(HP)量とcollagen(CL)(I型,III型)のmRNA(Northern blot)およびfibronectin(FN)のmRNAを求めた。Collagenの分解に関するMMP-1,MMP-2,MMP-3,TIMP-1,TIMP-2,TIMP-3活性はimmunoblotにて、mRNAの発現はRT-PCR法で求めた。TIMP/MMPと比として表し、梗塞サイズはTTC 染色により求めた。その結果(1)IFは冠結紮後1日目でCL-I,CL-IIIのmRNAは増加し2日目がそれぞれ結紮前に比べて約4倍に発現増加した。CL-Iが以後漸減したが、CL-IIIの増加は28日目まで続いた。FNの淡白とmRNAの発現は7日目(約4倍)が最大であった。TIMP-1/MMP-1,TIMP-2/MMP-2が梗塞後は28日まで有意な増加を示したのに対してTIMP-3/MMP-3は変化しなかった。(2)NIFはCL-I,CL-III、FNともにmRNAは2日目が最大発現を示し以後漸減した。しかし、CL-IIIとFNの発現は28日目まで続いた。TIMP-1/MMP-1,TIMP-2/MMP-2は冠結紮後有意な変化を認めなかった。以上より、心筋梗塞部の線維化には細胞外matrix成分の合成と分解の双方の亢進がみられるが、非梗塞部の肥大にはmatrix成分の合成が分解より亢進していると推察される。上記の知見は1998年10月の国際心臓研究学会、1999年3月の日本循環器学会学術集会に発表した。現在、国際学会誌に投稿中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Otsuka S,Sugano M,Makino N,Sawada S,Hata T,Niho Y.: "Interaction of mRNAs for Angiotensin II Type 1 and Type 2 Receptors to Vascular Remodelling in Spontaneously Hypertensive Rats"Hypertension.. 32. 467-472 (1998)
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[Publications] Masutomo,K.,Makino,N.,Sugano,M.,Mityamoto,S.,Hata,T.,Yanaga,T.: "Extracellular matrix regulation in the development of Syrian cardiomyopathic Bio4.6 and Bio 53.58 hamsters"J Mol Cell Cardiol.. 31. 1607-1615 (1999)
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[Publications] Makino N.,Sugano M,Otsuka S.,Sawada S.,Hata T.: "Chronic antisense therapy for angiotensinogen on cardiac hypertrophy in spontaneously hypertensive rats"Cardiovasc Res. 44. 543-548 (1999)