1999 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧性動脈壁肥大におけるJAK2チロシンキナーゼ細胞内情報伝達系の役割
Project/Area Number |
11670703
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
根来 伸夫 大阪市立大学, 医学部, 助手 (80180701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 幹夫 大阪市立大学, 医学部, 講師 (90169144)
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Keywords | 高血圧 / 血管平滑筋細胞 / JAK2 / 細胞内情報伝達系 / 肥大 |
Research Abstract |
1) 培養血管平滑筋細胞の肥大におけるJAK2の役割 a) Sprague-Dawleyラットの胸部大動脈の中膜からexplant法により血管平滑筋細胞(VSMC)を分離培養した。 b) angiotensinII(AII)を培養液に加えることにより肥大させた培養VSMCに、JAK2抑制剤(AG-490)を投与し、VSMCの肥大おける影響をJAK2免疫沈降で検討した。対照としては、vehicleを用いた。 C) 肥大の指標としてFACSにより細胞のサイズを測定し、DNA合成の指標として3H-thymidineのuptakeを、また、蛋白合成の指標として3H-leucineのuptakeを測定した。AG-490は用量依存的に培養VSMCにおける3H-thymidineのuptakeと3H-leucineのuptakeを抑制した。また、AG-490はAIIによる肥大した細胞のサイズを低下させた。 d) EGF受容体のチロシンリン酸化、肥大ならびにJAK2の活性の関係化との関係を検討した。AIIによるEGF受容体のチロシンリン酸化は、AG-490により抑制された。 2)高血圧自然発症ラット(SHR)の高血圧性動脈硬化病変における、AG-490の影響 a) 12週齢の高血圧ラットの大動脈周囲へ浸透圧ミニポンプを使って、JAK2抑制剤AG-490を投与した。4週間後にこの動脈を摘出した。 b) 体重、血管長に対する動脈重量の比を計算して肥大計数とし、JAK2の抑制による動脈壁肥大の影響を検討したところ、AG-490は有意に動脈壁肥大を抑制した。 c) 同じく、15週齢の高血圧ラットに経口的にJAK2抑制剤を繰り返し、投与した。4週間後に、胸部大動脈を摘出し、以下の検討を行う。 d) EGF受容体のチロシンリン酸化をイムノブロットで測定し、JAK2阻害の影響を検討したところ、AG-490の投与によりEGF受容体のチロシンリン酸化は減少した。
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